上皇ご夫妻に関しては、今年2月に3回目接種が報じられた。ところが、それから約7か月が経過したいま、4回目接種の話は聞こえてこない。政府指針においては、3回目のワクチン接種から5か月が経過した高齢者に対して、4回目の接種が推し進められているにもかかわらず、だ。
「もともと美智子さまは、ワクチン接種についてかなり慎重な姿勢を示されていました。ご自身のためというよりは陛下のことを慮り、皇室の医療を統括する皇室医務主管や侍医長に、副反応のアナフィラキシーショックなどについて熱心に質問をされていた」(前出・宮内庁関係者)
そもそも、ワクチンの接種は国民の「義務」ではなく、「努力義務」であると政府は示していた。
「接種が推奨されつつも、“各自の判断で行う”ということです。しかし、上皇ご夫妻の接種を認めた当時は、緊急事態宣言を何度も出さざるを得ないほど感染拡大が深刻だった上、ウイルスの毒性や感染力、変異スピードなどには不透明な部分も多かった。事実上、ワクチンしかコロナの対応策がない状況で、とにかく接種を促進することが、命を守るために必要な対策だった」(別の皇室記者)
しかし現在、分析が進むにつれワクチンの効果や接種後に人体に及ぼす影響への懐疑的な声が上がっている。前出の深刻な副反応もその1つだ。そうした現在の状況下では、上皇ご夫妻の「4回目接種」はかなり微妙なニュアンスを持つ。
「報道されることで、『両陛下が4回目も接種したのだから、国民も接種すべき』という誤ったメッセージとなってしまいかねません。かといって『接種しません』とも表明できません。政府は変わらず“努力義務”を国民に課しているため、その姿勢と足並みが乱れてしまうからです」(前出・別の皇室記者)
だからこそ、美智子さまは沈黙を守られているのだろう。