熊本県と市が「ピースロード」後援を取り消し(8月3日の朝日新聞朝刊より)

熊本県と市が「ピースロード」後援を取り消し(8月3日の朝日新聞朝刊より)

「ピースロードに対する後援は2018年から行なってきました。イベント企画書や規約などを見ても、承諾基準に反していないことから、後援名義の使用を承認しましたが、役所の人間が参加したり、見に行ってイベント自体を支援したことはない。これまでピースロードが旧統一教会系であるという認識はありませんでした。

 旧統一教会系の団体の存在がクローズアップされ、議員との関係など新聞やテレビで報道されるようになり、それでわれわれも知ったし、市民の方々の不安も高まりました。そこで八代市として協議し、イベントの開催期間中ですが、8月2日時点で後援名義の使用を取り消すことを決めました。今後は申請があっても不承諾になると思います」

 他にも鹿児島市、奈良市、天理市、西東京市などが次々に地元のピースロードイベントの後援を取り消し、香川県は後援取り消しとともに、知事が務めていた同イベントの実行委員会顧問の辞任も発表した。

 このイベントの実施を賞賛する記事を報じていた新聞各社も、“証拠隠し”のように一斉に記事をウェブ上から削除したのである。

小学生と「SDGsすごろく」

 コロナ対応に苦労する医療関係者を激励するという名目のイベントも開かれた。大阪・泉佐野市で昨年行なわれた「キャンドルナイト」だ。後援した泉佐野市の秘書課の担当者が語る。

「学生が手作りのキャンドルに灯をともすイベントで、会場でキャンドルを販売した売上をコロナで頑張っているりんくう総合医療センターに寄附するというものです。世界平和青年学生連合南大阪連合会という団体の主催で、30万円の寄附がありました。今後については、霊感商法など不透明な部分がクリアにならないと、市として後援名義使用は承認できない」

 さらに見落とせないのは、子供向けイベントの存在だ。

 旧統一教会の関連団体「北海道CARP(※注:Collegiate Association for the Research of the Principle)」と札幌市の外郭団体「札幌市環境プラザ」が共催したのが『WAKUWAKU 4U Project』だ。

 小学生の子と、その親を対象に環境について学ぶイベントで、「SDGsすごろく」や「もしこの世に電気がなかったら」体験、使い古しの油を使った石鹸作りなど、昨年11月から今年6月にかけて合計6回開かれ、大学生と子供たちが交流した。

「CARPとは旧統一教会信者の大学生サークルで、1960年代より全国各地の大学で活動している『原理研究会』と同一団体と考えてよい」(全国霊感商法対策弁護士連絡会の木村壮弁護士)

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