国内

森友学園事件で夫を亡くした赤木雅子さん 銃撃事件前日に安倍氏へ手渡した「1通の手紙」

森友学園事件で夫を亡くした赤木雅子さん

森友学園事件で夫を亡くした赤木雅子さん

 安倍晋三・元首相が参院選の街頭演説中に銃撃され死去して2か月以上となる。日本中を震撼させた大事件だが、その前日、安倍氏が自身の政治人生における重要事件の当事者から手紙を手渡されていたことは知られていない。

 それは七夕の巡り逢わせだったのか? 7月7日、参院選終盤。神戸市中心部の三宮で自民党の街宣車が告知していた。

「今日の夕方、安倍元総理が応援に参ります!」

 そこを通りかかったのが、神戸に住む赤木雅子さん。森友学園との土地取引を巡る財務省の公文書改ざん事件で、近畿財務局職員だった夫・俊夫さん(享年54)を自死に追い込まれた雅子さんは、その2年後、「真実が知りたい」と裁判を起こし、事件の再調査を求めていた。

 この件は安倍氏の妻・昭恵さんが名誉校長を務めていたことで大きな疑惑となったが、安倍氏は「私や妻が関係していたら総理も議員も辞める」と言い放った上に、再調査には応じなかった。

「安倍さんがここに来るなら、直接手紙を渡すことができるかもしれない」

 そう思い立った雅子さんは喫茶店で手紙を書き始めた。ちょうどその日、ある新事実が報じられていた。昭恵さんが森友学園の小学校に専用の名誉校長室を2つも用意してもらう特別待遇を受けていたのだ。

 手紙はその報道に触れた上で「再調査よろしくお願いします」とだけ求めた。安倍氏の妻と森友学園の深い関わりを示す事実だから、今度こそ再調査をしてほしいという願いを込めてのことだ。

雅子さんと“グータッチ”

 7日の夕方、安倍氏は神戸に姿を現わした。街宣車に上がり自民党の候補と演説を行なうが、聴衆の熱気が高まったことで人気のほどが分かる。大勢の人に囲まれ、雅子さんが近づくのは無理かと思われた。ところが演説が終わると安倍氏は車を降りて集まった人々と“グータッチ”を始めた。

 道路の向かい側で雅子さんが見つめていると、ちょうど信号が変わり、安倍氏が道路を渡って目の前に近づいてきた。雅子さんは封書を差し出しながらこう叫んだ──。

「安倍さん、お手紙を書いてきたんです!」
「えっ、手紙?」

 安倍氏はにこやかに手紙を直接受け取った。そして雅子さんとグータッチ。因縁の2人が初めて顔を合わせた瞬間だった。もちろん安倍氏は相手が誰なのか分かっていなかっただろう。その後も周りの人とグータッチしながら去っていった。

関連記事

トピックス

起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
新体操フェアリージャパンのパワハラ問題 日本体操協会「第三者機関による評価報告」が“非公表”の不可解 スポーツ庁も「一般論として外部への公表をするよう示してきた」と指摘
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
大臣としての資質が問われる(写真/共同通信社)
三原じゅん子・こども政策担当相が暴力団とゴルフ写真の“反社疑惑”にダンマリの理由「官邸は三原氏のことなど構っていられない」
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン