今場所も長い行列ができ、多くの人がスマホを手に写真を撮ろうとしている。芝田山親方がつける水色のエプロンの胸には「男が甘党で何が悪い」とプリントされている。ビニール袋を手にパンを詰め、並んでいる人たちにひとつずつ手渡す。写真を撮ろうとしている人から声が掛かれば、その方向を見て笑顔。寡黙な横綱時代には見せなかった顔だ。そして、予定数を売り切ると、杖を突きながら協会の事務所に帰っていく。
打ち出し後に若手親方が中心となって行なう来場者への「お楽しみ抽選会」などが開催されているものの、親方との触れ合いが少なくなった国技館で、芝田山親方の頑張りが光っている。