9月14日、ウェストミンスター宮殿内ホールでの祭礼でもヘンリー王子とメーガン妃はしっかり手をつないでいた(AFP=時事)

9月14日、ウェストミンスター宮殿内ホールでの祭礼でもヘンリー王子とメーガン妃はしっかり手をつないでいた(AFP=時事)

「手をつなぐ」という行為には、いくつかの意味があるといわれる。一般的には愛情表現を示すため、絆やつながりを確かめるためや、気持ちを合わせたいという心理の表れだとされる。また、相手は自分のものだという所有権を示すための行為ともいわれる。この人を愛し愛されているのは自分、だから手を出すなというアピールだ。人前で相手の腰に手を回したり、肩を抱いたり胸に手を置いたり、腕を組んだりするのも、2人の距離の近さを強調し、自分のものだと暗に主張していると言われる。

 これまで様々な場所で2人は手をつなぐ姿を見せてきた。プラチナ・ジュビリーの礼拝式に参加した時も手をつないでいた。夫婦にとって、手つなぎは公の場で人々に見せる1つのスタイルであり、愛情表現や所有意識だけでなく、互いの愛情の深さや結束の強さを周りにアピールする効果もあるのだろう。

 さらに手をつなぐという行為には、不安であったり、困難な状況に置かれている時に、その気持ちを分かち合いたい、慰めたい、支え合いたいとなどという心理も含まれるという。今の王室でメーガン妃は歓迎される存在ではなく、英国民からも人気があるわけでもない。ウィンザー城の外にいた弔問者たちの中には、握手しようと差し出されたメーガン妃の手にためらったり、冷たくあしらったりする者さえいたらしい。

 公務から引退しているヘンリー王子も、18日に行われたチャールズ新国王主催のレセプションにでは、「現役の王室メンバーのみ」として夫婦の出席は認められず、国葬では軍服ではなくモーニングコートの着用。それでもヘンリー王子は王族であり、完全アウェーはメーガン妃だ。王室メンバーや関係者が集まる国葬は、不安の多い居心地の悪い行事であったことだろう。頼りになるのは王子だけとなれば、その手を握って心を落ちつけたいと思ったのではないだろうか。

 その一挙手一投足が注目され批判もされるヘンリー王子とメーガン妃。自叙伝や暴露本の出版が噂されているが、今後彼らは英国王室との間で、どのような姿を見せるのだろうか。

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