丁寧な治療に欠かせない「ラバーダム」

丁寧な治療に欠かせない「ラバーダム」(イメージ)

【間違い】痛くない、早い、安い歯科医が良い?

「痛み」にすぐ対応する歯科医は人気がある。これは安易な抜髄(神経の除去)をしている可能性に注意したい。神経は残したほうが、歯の寿命を延ばせるからだ。

 また、「歯科治療の質は時間と比例する」とされる。早い治療より、しっかり30分枠などで治療する歯科医院を選びたい。

 そして安い治療費は患者の財布には優しいかもしれないが、歯科医院にとっては経営が厳しくなることを意味する。保険診療はコスト割れしてしまうケースもあるのだ。

【間違い】マイクロスコープがあれば安心?

 歯の根を治療する「根管治療」が成功すると、歯の寿命を大きく延ばすことが期待できる。

 根管治療の専門医には、歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」が必須になった。根管の中まで見えるので、精度の高い治療が可能になったのである。

「マイクロスコープ完備」と記載する歯科医院が増えてきたが、これも注意したほうがいい。

「マイクロスコープを使用しているとホームページにあったのですが、従来の方法の根管治療でした。なぜ使わないのか、と聞くと、あなたの場合は必要ないから、と言われました」

 証言した患者が行った歯科医院にとってマイクロスコープは、客寄せパンダのようなものらしい。

 *
 最後に「ラバーダム」はご存じだろうか?

 治療する歯だけを残して、ラバーシートで覆うもので、患者の唾液で治療部分が濡れるのを防ぐ。

 ケースバイケースだが、これを使用していることは精度の高い治療をしている目安の一つだ。

【プロフィール】
岩澤倫彦(いわさわ・みちひこ)/1966年、札幌市生まれ。ジャーナリスト。報道番組ディレクターとして救急医療、脳死臓器移植などのテーマに携わり、「血液製剤のC型肝炎ウィルス混入」スクープで、新聞協会賞、米・ピーボディ賞。著書に『やってはいけない歯科治療』(小学館新書)などがある。

※週刊ポスト2022年9月30日号

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