吉川赳議員(右)と父・雄二氏
もっとも赳氏は選挙区で一回も当選したことがなく、自民党の力で比例復活してきた。党幹部からも離党したなら議席は返すべきだという主張があることについては、さらに大きな声で反論した。
「自民党を辞めてケジメをつけたじゃないですか。あの時も(歳費など)2000万も3000万もまだもらっているって批判を受けたが、私、3億くらい税金納めてる」
いまも赳氏に国会議員の資質はあると思うのか──雄二氏に訊くと、「もちろんあると思ってる。思ってなければ出さないでしょ」と言い、およそ4分、240秒にわたる演説を終えて自宅に入っていった。
だが、父親の考えとは裏腹に、地元ではそれまで赳氏を支援してきた人からも失望する声が出ている。富士市後援会の田辺雅啓会長は8年ほど前に赳氏から頼まれて後援会会長を引き受けたというが、『週刊ポスト』の取材にこう洩らした。
「記事が出てから、あちらのほうから連絡を絶たれているので全く連絡が取れていません。秘書が数回来て、『法廷闘争に持ち込む』と言っていましたが、その後裁判になったという話も聞いていません。
古くからいた別の秘書も吉川のもとを離れました。私から吉川の携帯にかけてもつながらない。そこまで拒否されるのなら私は何のために後援会会長をやっているのか。後援会は休眠状態で解散するのかどうかも決まっていませんが、この際ですから私は一切関係を絶とうと思っています」
“国にくれた子”という父の思いは、はたして理解されるのだろうか。
※週刊ポスト2022年10月7・14日号