芸能

逝去の三遊亭円楽さん 故・桂歌丸さんが闘病の支えに「呼びにきちゃダメだよって……」

2010年3月に行われた円楽さんの襲名披露会見

2010年3月に行われた円楽さんの襲名披露会見

 長寿番組『笑点』(日本テレビ系)の大喜利メンバーとしてお茶の間の人気者だった落語家の六代目三遊亭円楽さんが9月30日、肺がんのため亡くなった。72歳だった。

 晩年は病との闘いだった。2018年に初期の肺がんの手術を受け、翌2019年には脳腫瘍が見つかった。今年1月には脳梗塞を発症し、5月に退院して8月に高座復帰を果たしたものの、その後、肺炎で入院。闘病とリハビリを続けながら最後まで復帰を目指していたが、帰らぬ人となった。

 円楽さんといえば二ツ目の楽太郎時代から『笑点』のレギュラーとなり、「腹黒」キャラですぐに人気者に。毒を含んだ時事ネタや風刺ジョークを得意とした。そして、円楽さんを語る上で欠かすことができない人物が、2018年7月に亡くなった桂歌丸さん。2人の“毒舌合戦”は同番組の見どころのひとつだった。

「『歌丸』に『水』と書いて、死に水」
「車へんに『歌丸』と書いて、霊柩車」
「私の故郷コペンハーゲン、あなたはてっぺんハゲ」

 円楽さんが歌丸さんの容姿や“寿命”をネタにしてからかい、怒った歌丸さんが「おい、山田くん! 座布団全部持っていけ!」とやり返す。そんなやり取りで笑いを誘い、番組を盛り上げた。もちろん、2人の間に信頼関係があったからこそできた掛け合いだ。

「円楽さんに歌丸さんの容姿イジりや毒舌ネタを勧めたのは、ほかならぬ歌丸さんです。円楽さんは『笑点』メンバーになったばかりのころ、キャラクターが確立できずに悩んでいました。そんななかで歌丸さんから『困ったら俺のことを言いなよ』と助言されたと、歌丸さんへの感謝をインタビューなどで語っていました」(演芸ライター)

 感謝があるからこそ、歌丸さんの愛情に容赦ない“毒舌”で応えた円楽さん。歌丸さんの死去後に放送された『笑点』での追悼の大喜利では、歌丸さんに「○○してくれて、ありがとうございました」と呼びかけて最後に一言を付け加える、というお題で、円楽さんは「私の悪口を優しく受け止めてくれて、罵詈雑言にも耐えてくれて、ありがとうございました」と感謝の言葉の後に、「最後に言わせてください……じじい! 早すぎるんだよ!」と目をうるませた。

「円楽さんは肺がんや脳腫瘍の闘病中、よく歌丸さんのことを話していました。晩年、酸素吸入器を付け、一人では歩けなくなっても高座に上がり続けた歌丸さんの姿を思い出して、病魔と闘う力をもらっているようでした。『俺はまだまだ生きるって決めたから、歌丸師匠に、呼びにきちゃダメだよ、って言ってるんだよ』って」(落語芸術協会関係者)

 歌丸さんが亡くなってから4年。円楽さんが鬼籍に入った。あの世で再会し、また“毒舌合戦”を繰り広げているだろうか。ご冥福をお祈りします。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン