「金融業は合わなかった」と細山さん(写真/藤岡雅樹)

「金融業は合わなかった」と細山さん(写真/藤岡雅樹)

 27歳で年収1150万円とは、絵に描いたようなエリート街道をばく進中だ。芸能界では、最高年収600万円ぐらいだったとか。そりゃ、引退しても惜しくないわけだ。

「子役から大人になり、さらに、太ったキャラだったのに痩せてしまったので、新しいキャラ作りは難しいな、と感じていました。なので、大学を卒業したときは、これからはまったく別の人生を生きよう、と思っていました。

 でも、振り返れば『世界一受けたい授業』では元プロ野球選手の松井秀喜さんにハグしていただいたり、先日亡くなったソ連のゴルバチョフ元大統領に会えたりと、なかなか普通ではできない経験をさせていただき、とても良い経験でした。それに、芸能界でも第一線で活躍されている方たちは、人間的にも成熟した方ばかりで学びも多かった。だから今は、もう芸能界のお仕事をしない、という気持ちではなくて、もし経済や金融のコメンテーターなどとして需要があるなら使ってもらえたらおもしろいかな、と思ったりはしています」

『おはスタ』時代の写真(細山さん提供)

『おはスタ』時代の写真(細山さん提供)

 会社のほうは副業OK?

「実は、この8月に退職して、今は会社員ではないんです。一時、少しメンタルを崩してしまって。今はすっかり回復したのですが、資産運用会社に転職したのが2020年1月で、転職してすぐコロナでほぼ在宅勤務になり、家にこもりきりで、人に会えず話ができず……という生活が続き、落ち込んじゃったんですよね。僕が本当にやりたいことは別にあるんじゃないか、とか考え過ぎてしまって」

 小中学校時代、殴る蹴るの肉体的な暴力や言葉の暴力といった激しいいじめを受けていた細山さんは、高校時代に『デブ、死ね、臭い! を乗り越えて』(マガジンハウス)という著書を出版。いじめ問題について講演活動を行い、将来は教育者や、教育システムを改革する政治家を夢見ていたという。しかし、大学卒業後は人生経験として、いったんビジネスの最先端で実力を試してみたい、と金融の世界に飛び込んだのだった。

「でも、金融業は僕に合っていない気がしました。そこで自分の人生を振り返っていろいろ考えてみると、僕が本当にやりたいことは動物を救う仕事なんだ、と気づいたんです」

 え、どういうこと!?

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