1ドル=147円台で推移する円相場を示すモニター。2022年10月14日午前(時事通信フォト)
コロナ禍の影響以外にも円安、金やプラチナ、ダイヤモンドといった原材料や海外の人件費の高騰、ロシアとウクライナの問題なども重なり、こうしたジュエリーもまた値上げラッシュが続いている。というか、原材料のほとんどを海外依存する日本では何もかもが値上がりしている。上がらないのは実質賃金だけだ。
「値上げでも海外の富裕層からしたら日本は安いと思いますよ。日本が一番安かった、という国の方々もいらっしゃいます。これまではビジネスの方だけでしたが、観光でお金に余裕のある方々がいらしてくれたらと期待しています」
物価上昇と賃金アップが並行して続く国々からすれば賃金アップ、収入アップの分、安い日本で買うのは必然かもしれない。日本は物価上昇だけで30年間賃金は上がらないままに増税も続く。インバウンドに期待するしかないということか。
外国人に人気の下町の店主はこう話す。
「日本人はお金ないからね、外国人のほうがドーンと買ってくれるから、これから取り戻すよ。あとは中国から来てくれればねえ、コロナ前はよかったのに」
先に書いた通りゼロコロナ政策を続ける中国はいまだに海外からの帰国には10日間の隔離が義務付けられている。中国共産党と習近平の思惑は別のところにあるのだろうが当分は難しいだろう。
クールジャパンとチープジャパン
翌日12日の朝、JR中央線は人身事故で大混雑、オーストラリアから来たと話す男性はさっそく日本の早朝ラッシュと人身事故の洗礼を浴びた様子。
「仕方ないね」
と首をすくめてみせた。人身事故は40代の男性だった。それにしても多い。ラッシュだけでなく人身事故もこの国の象徴になってしまった。