ライフ

運動会「スマホ撮影禁止」問題で教師たちが苦悩 隠し撮りする親、保護者のクレームも

スマホで撮影することを禁じる学校も(写真はイメージ)

スマホで撮影することを禁じる学校も(写真はイメージ)

 全国の小中学校で秋の運動会シーズンがピークを迎える中、保護者による写真・ビデオ撮影のマナーが問題化している。早朝からの場所取りや、三脚を使った撮影禁止などに加え、最近では「スマホ撮影」を禁じる学校が増えているという。

「画像・映像の撮影に関して、不審者対策等のため、スマートフォン、携帯電話での撮影はご遠慮ください」──。運動会を前に、都内のある中学校が保護者に配布した注意文だ。「不審者対策等のため」としているが、撮影自体は禁じられていない。なぜ「デジカメ、ビデオカメラはOK」で、「スマホ、携帯電話はNG」なのか。

 都内の公立中学校PTA会長が明かす。

「運動会などの学校行事での写真をウェブ上で公開する保護者が目立ち、子供たちの個人情報が思わぬ形で流出するリスクが高まってきた。スマホや携帯はSNS等への写真・動画のアップロードが容易にできてしまうという理由から、このような措置が講じられるようになったのです」

 だが、保護者からはこんな声も。

「自分の子供の姿がネットにアップされるのは気分のいいものではないが、写真も動画も撮影できて、持ち運びが楽なスマホの使用を禁止されるのは不便。そもそも今の時代、デジカメやビデオカメラを持っていないご家庭も多いのでは」(30代女性)

 学校行事の撮影については、保護者の間でもさまざまな意見があるという。前出・PTA会長が語る。

「プライバシーに敏感な保護者の中には、子供が集合写真に収まることを嫌う人もいる。PTA会報やHP掲載用に行事の写真を撮る際も、予め断わりを入れてから撮影するようになりました。それでも一部の保護者から問題提起があり、現在は解像度の低い写真や、子供たちの顔が特定できない写真をセレクトして掲載しています」

 写真、動画撮影をめぐっては、こんな問題も起きている。

「新型コロナの流行後、多くの小中学校で保護者の行事観覧が制限されています。卒業を控えた最上級生の保護者のみ観覧可とする行事も多い。その結果、行事を観覧できない保護者が子供にスマホを手渡し、こっそり撮影させるケースも出てきてしまいました」(都内の公立中学校教頭)

 こうした事情も配慮し、業者による行事のビデオ撮影や、ライブ配信を行なう学校も増えてきた。だが、一部の保護者からはこんなクレームが。

関連記事

トピックス

公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン