他球団のスコアラーは、「FA補強でチームを強くする時代は終わった。野球がここ数年で緻密になり、4番打者、エースを他球団から獲得したから優勝できるという簡単な話ではなくなった。仮に森が巨人に加入してもチーム力が大幅に上がるとは考えづらい」と指摘し、こう続ける。
「来年もセ・リーグの優勝候補筆頭はヤクルトでしょう。村上宗隆の存在がクローズアップされるが、強さの要因はそれだけではない。投打にスキのない野球で、長岡秀樹や内山壮真など若手も順調に育っている。あとは高津臣吾監督の手腕ですね。投手の起用法が絶妙です。巨人は昨年も今年もあまり変わり映えがせず、救援陣のコマ不足の不安を解消できていないまま。正直怖くないですね」
V奪回に向けて立ちはだかるのは、リーグ連覇を飾ったヤクルトだけではない。最下位から2位に躍進し、投打で脂の乗った選手が多いDeNA、岡田彰布監督が就任し、西、岩崎優、岩貞祐太とFAで去就が注目された3人が全員残留した阪神も強敵だ。大型補強とならなかった巨人は、来季も厳しい戦いが待ち受けている。