ビジネス

「この店の灯は僕が守る」と早大卒業生が老舗酒屋で始めた早稲田の角打ち

 地下鉄東西線早稲田駅から高田馬場方面へ約5分、早稲田通り沿いに店を構える『もちだ酒店』。早稲田大学のキャンパスが一帯に広がるこの地で、昭和の時代から学生たちと温かい交流を続けてきた老舗酒屋だ。

 2代目店主の望田健二さん(78歳)が、「俺ももう歳だし、そろそろ閉店しよう」と思っていた3年前に、「お世話になった老舗酒屋の灯を消すわけにはいかない!」と、早大卒業生の清武大貴さん(30歳)が中心となり、クラウドファンディングで資金を集めて店を改装、酒屋の奥のスペースで角打ちを始めた。

「早大卒業生と店主の絆に胸を打たれた」という常連客も通う

「早大卒業生と店主の絆に胸を打たれた」という常連客も通う

 清武さんは、熱い想いをこう語る。

「福岡から上京して、学生時代にここでアルバイトをしていたのですが、親父さん(健二さん)からはたくさんのことを学びました。

 運動部の連中は、店主の奥さんの路子さん(78歳)に度々ご飯を食べさせてもらったり、倉庫だった場所で打ち上げをしたり、店主夫妻には本当に可愛がってもらってきたから、この場所は絶対なくしちゃいけないと思って。

 それに、角打ちをやれば、OBと現役学生を繋ぐ場所になるし、就職活動にも役立つんじゃないかと考えたんです」

 昼間は会社に勤め、夜は料理を仕込んで角打ちを切り盛りする清武さんは、「面倒見のいい兄貴みたいな存在」として慕われている。

「清武とは商店街のお祭りなんかでよく顔を合わせているから昔っから知ってるけど、人懐っこい子でね、一生懸命働いていて、みんな応援していますよ」(60代、会社経営)

「早稲田の卒業生たちがたくさん訪れるアットホームなお店ですよ。親父さんと若い人たちの絆、そのストーリーに胸が熱くなるね」(50代、不動産管理業)

「ここに来ると若者と情報交換できるのもいいんですよ。卒業生たちがボトルを入れると20歳以上の現役生たちは無料で飲めるという学生奨学ボトルっていうのを考案して、学生への愛と繋がりの深さを感じるよね」(50代)

 と店を応援する常連客も多い。

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン