「利益」に縛られない幸せ
シャンユーは元々服飾関係の仕事をしていたが、寿町に通い始めるようになったのと並行して自身のキャリアにも変化が生じた。2018年9月から音楽アーティストとしても活動。音楽以外にも個展の開催や映画出演などマルチに活躍するようになった。
「ネガティブな意味ではないんですが、私は友達が多いほうではありません(笑)。ただ、たくさんの友達よりも信頼できる大親友を1人でも見つけられるほうがいい。まさか寿町で大親友ができて、しかも自分より何倍も年上の人だなんて思いもしませんでした。仕事も同じで、昔は人前で歌うなんて考えられなかったけど、勇気を出して飛び込んでみたら面白かったし今では一番好きだと思えることになっている。寿町に通うなかで、自分の人生に責任を持って生きることの重要性に気づかされた気がします。これからも、肩肘張らずに気が向いた時に寿町にふらっと顔を出していきたいですね」
2人の奇妙な交流は、ドヤ街と呼ばれる寿町の奥深さを知る貴重な記録なのかもしれない。
【プロフィール】
Xiangyu(しゃんゆー)/1994年、神奈川県横浜市生まれ。ソロアーティスト。2018年9月からライブ活動を開始し、2019年5月に初EP『はじめての○○図鑑』をリリース。南アフリカの新世代ハウスミュージック、GQOM(ゴム)のエスニックなビートと等身大のリリックをベースにした楽曲で精力的にライブ活動を行なう。音楽以外にも、ファッション・アート・映画出演・執筆など多方面に活動をしている。