ライフ

91歳まで現役だった医師が実践した認知症予防法「かまぼこ食べる」「テレビの音量小さく」

「一生ボケない」人生はどう目指す?(イメージ)

「一生ボケない」人生はどう目指す?(イメージ)

 600万人の認知症患者を抱える超高齢社会の日本で、91歳まで矍鑠と患者に向き合い続けた医師がいた。『午後は〇〇おもいッきりテレビ』(日本テレビ系 1987年~2007年)にホームドクターとしてレギュラー出演した内科医・松原英多氏だ。

 番組で“国民のかかりつけ医”として人気を博した松原氏は9月初旬、最新著書を上梓する直前に永眠した。松原氏の知られざる最期と、日々実践していた「ボケないための習慣」を遺作となった著書から読み解く。

「医者は死ぬまで医者、死んでも医者。診察室で死ねたら本望」

 松原氏は生前、よくそんなことを言っていたという。代々医師の家系に生まれた松原氏は、その言葉通りの生涯を送った。

 9月に上梓した最後の著書『91歳の現役医師がやっている一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)の担当編集者・斎藤順氏が語る。

「書籍の企画は昨年からスタートしました。まず松原先生が院長をされていたエビス診療所(東京都・恵比寿)にお電話したところ、『企画書をメールでください』と言われたんです。90歳でパソコンやメールも使いこなしていたのは驚きでした。

 お話を長時間伺っていても、背筋がピンと伸びたままで姿勢が変わらないんです。お声も張りがあって若々しく、声量も実に聞き取りやすい。高齢者にありがちな、同じことを繰り返すこともなく、そのまま書き起こせば書籍になるくらい理路整然としていました」

 斎藤氏が感嘆したのは、患者への毎朝の電話だ。自身が診てきた認知症患者に電話をかけ、症状悪化を防ぐためにコミュニケーションを取っていた。

「今日は何月何日か、どんな行事があるか、認知機能の低下を食い止めるための『思い出す作業』に付き合うのです。かれこれ10年以上続けているとのことで、しかもその全ては診察外のボランティア。頭が下がる思いでした」(斎藤氏)

 今年に入り、原稿の校閲作業をするなかで体調を崩した松原氏。残念ながら都内病院で入院生活に入ったが、そこでも精力的に活動した。

「病床でゲラ(試し刷り)を熱心にチェックし、推敲を重ねてくださいました。執筆作業だけではありません。コロナ禍で面会に制限があるなか、エビス診療所のスタッフとも密に連絡を取り合っていました」(同前)

 そして刊行直前の9月6日、病室で帰らぬ人となった。

「最期の最期まで、書籍に情熱を注いでくださりました。亡くなるその日まで読者や患者のことを思い続けていた。松原先生は亡くなるまで現役医師でした」(同前)

 松原氏の死去にともない、エビス診療所は10月末に閉院した。

 著者亡き後に発売された書籍はアマゾンの健康書部門で1位に輝き、3刷・2万部のベストセラーに。

 そのタイトル通り、「一生ボケない」人生を送った松原氏が実践していた「認知症を遠ざける習慣」を紹介する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン