国内

鈴木宗男氏“伝説の箱乗り遊説”誕生秘話「ウケ狙いじゃない。無意識で動いた」

TVでも話題になった鈴木宗男氏の箱乗り遊説(時事通信フォト)

TVでも話題になった鈴木宗男氏の箱乗り遊説(時事通信フォト)

 自身が権力を得るために重鎮におもねるような国会議員が多い中、どんなに批判されても、上に楯突く形になろうとも、自分たちの信念を貫いてきた政治家がいる。ウクライナ侵攻に関する発言で物議を醸してきた鈴木宗男・参議院議員(74)もその一人だ。北方領土への思い、政治の師との思い出、選挙での苦労、娘・貴子氏への期待など、時には涙を流しながらすべてを語った。【全3回の第2回。第1回から読む

 * * *

伝説の箱乗り遊説

──最近、テレビのバラエティ番組で「ムネオ選挙」が話題になりました。

「ハイ、知ってます」

──伝説の箱乗り遊説が若者を魅了しています。

「政治家は口では『命がけです』って言うけど、ハッキリ言って、みんな言葉の遊びです。私は態度で示そうと思って、あの箱乗りは1983年から続けてます。車の窓から身を乗り出すから危ない、電柱にぶつかると心配してくれるけど、そこまで体を張っているとアピールしているんです」

──あれは、どなたか「先駆者」がいたんですか。

「いやいや、自分で考えた。初めて出馬した時、中川先生の自殺の原因は秘書の鈴木宗男だとぼろくそ言われたから、(息子で対抗馬の)中川昭一さんに同情が集まった。やっぱり私は当時から悪役なんです。でも、中川先生のご兄弟や秘書たちは私についてくれたんです」

──なぜでしょう?

「ここはガマンだと自分に言い聞かせて、一切反論しなかった。黙っている姿を見て、わかる人はわかるんです。見上げたもんだ、鈴木のほうが真実じゃないのかという声が出てきたんですよ」

──その勢いが表に出た結果、箱乗りが爆誕した。

「ウケ狙いじゃない。自分を鼓舞しているうちに、無意識で体が動いた」

──けがや事故は?

「ないです。『おだち(北海道弁で「調子に乗った」)バカ』って言われないように、絶えず腕力と腹筋を鍛えていますから。衆議院内のジムに週2~3回は行きます。そこで、5~6キロを走って、腹筋運動をやっています」

──7月の参院選、安倍晋三・元首相銃撃の翌日に盟友の麻生太郎氏が札幌で演説するというので、現地に行ったんです。北海道の自民党議員が街宣車の前にずらりと並んで、麻生氏と同じ方向を向く中、宗男さんだけが車道に立って、通過する車に手を振っていた。私、目がクギ付けになりました。

「みんなは聴衆に向かってアピールしてるけども、私は通り過ぎていく人や車に頭を下げ続けます。候補者を勝たせるためには、演説に関心がない人にもアピールする必要があるんです。なにも、全員が麻生先生のそばに立たなくていい。私は麻生先生に背中を向け、尻を向け、逆に、人を大事にする」

関連記事

トピックス

無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
草野刑事を演じた倉田保昭と響刑事役の藤田三保子が当時を振り返る(撮影/横田紋子)
放送50年『Gメン\\\\\\\'75』 「草野刑事」倉田保昭×「響刑事」藤田三保子が特別対談 「俺が来たからもう大丈夫だ」丹波哲郎が演じたビッグな男・黒木警視の安心感
週刊ポスト
月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』主演の中井貴一と小泉今日子
今春最大の話題作『最後から二番目の恋』最終話で見届けたい3つの着地点 “続・続・続編”の可能性は? 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《あだ名はジャニーズの風紀委員》無期限活動休止・国分太一の“イジリ系素顔”「しっかりしている分、怒ると“ネチネチ系”で…」 “セクハラに該当”との情報も
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一
《どうなる“新宿DASH”》「春先から見かけない」「撮影の頻度が激減して…」国分太一の名物コーナーのロケ現場に起きていた“異変”【鉄腕DASHを降板】
NEWSポストセブン
日本のエースとして君臨した“マエケン”こと前田健太投手(本人のインスタグラムより)
《途絶えたSNS更新》前田健太投手、元女子アナ妻が緊急渡米の目的「カラオケやラーメン…日本での生活を満喫」から一転 32枚の大量写真に込められた意味
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
中世史研究者の本郷恵子氏(本人提供)
【「愛子天皇」の誕生を願う有識者が提言】中世史研究者・本郷恵子氏「旧皇族男子の養子案は女性皇族の“使い捨て”につながる」
週刊ポスト
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン