国内

公明党の支持母体・創価学会が弱体化 集票力低下の背景に2世や3世の選挙離れ

創価学会票は自民党の選挙に大きな影響を与えていたが…(時事通信フォト)

創価学会票は自民党議員にも大きな影響を与えていたが…(時事通信フォト)

 旧統一教会問題によって20年超に及ぶ自公連立が危機に立たされている。公明党の支持母体である創価学会にも問題が波及しているからだ。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の被害者救済法案の正式名称は「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(案)」で、旧統一教会だけでなく、宗教法人全般が対象になる。

 だが、法案は野党の要求も盛り込む形で修正が加えられ、マインドコントロールによる寄附についても、岸田文雄・首相が国会で「取り消し権の対象となる」と表明した。公明党は受け容れ、支持母体・創価学会も法案に表立った反対をしなかった。

 創価学会の弱体化はその集票力の低下に現われている。かつて公明党・創価学会の集票力は「800万票」と言われ、野党の支持基盤である「連合」の組合員数(約700万人)を上回っていた。自民党の比例代表の得票は1800万票程度(得票率約34%前後)しかないため、小選挙区で当選するためには学会票が欠かせない。創価学会は自民党の集票マシーンとなることで政治的影響力を強めてきた。

 だが、7月の参院選で公明党は得票数約618万票と昨年の総選挙の約711万票から100万票近くも減らした。目標とした「800万票」には遠く及ばなかった。

 背景にあるのは創価学会の選挙活動の中核を担ってきた1世の高齢化と、2世や3世、4世たちの選挙離れとされる。西日本在住の50代の学会2世はこう言う。

「父が創価学会の地区の責任者をしていて、国政選挙は地元で活動し、東京都議選になると車で2~3人の学会員と一緒にわざわざ東京まで応援に行くんです。最近はホテルに泊まるようですが、以前はみんなで車で寝泊まりして戸別訪問していたと自慢していました。全部手弁当ですよ。とても真似はできないし、やりたくないと思いましたね。だから私は選挙活動からは距離を置いてきた。父はもう80代で足腰が弱って選挙活動は難しくなってきたし、学会3世の子供たちは成人したけど選挙に行ってないんじゃないかな」

 創価学会の選挙活動は、学会員たちが手弁当で行なう戸別訪問や電話作戦、街頭演説への動員などが知られる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《愛妻・畠山愛理がピッタリと隣に》鈴木誠也がファミリーで訪れた“シカゴの牛角” 居合わせた客が驚いた「庶民派ディナー」の様子
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
「何か大変なことが起きているのでは…」米倉涼子、違約金の可能性を承知で自らアンバサダー就任のキャンセルを申し出か…関係者に広がる不安がる声
NEWSポストセブン
ドイツのニュルンベルクで開催されたナチ党大会でのヒトラー。1939年9月1日、ナチ・ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発した(C)NHK
NHK『映像の世紀』が解き明かした第二次世界大戦の真実 高精細カラー化されたプロパガンダ映像に映る国民の本音、老いて弱りゆく独裁者の姿
週刊ポスト
大阪・関西万博を視察された天皇皇后両陛下(2025年10月6日、撮影/JMPA)
《2回目の万博で魅せた》皇后雅子さまの気品を感じさせるロイヤルブルーコーデ ホワイトと組み合わせて重厚感を軽減
群馬県前橋市の小川晶市長(共同通信社)
「ドデカいタケノコを満面の笑顔で抱えて」「両手に立派な赤ダイコン」前橋・小川晶市長の農産物への“並々ならぬ愛”《父親が農民運動のリーダー》
NEWSポストセブン
萩生田光一元政調会長が幹事長代行へ起用(時事通信フォト)
《SNSで非難轟々》“裏金議員”萩生田光一氏が党執行部入りの背景 永田町関係者が明かす“総裁選での暗闘”と「香水がとてもいい香り」の珍評価
NEWSポストセブン
巨人の阿部慎之助監督(左)とDeNAの三浦大輔監督
セ2位DeNA・三浦監督は勇退で3位巨人・阿部監督は続投でいいのか? 御意見番・広岡達朗氏は「三浦は偉い」「阿部は三浦が辞めた意味すらわかっていないんじゃないか」
週刊ポスト
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン