国内

暴力団の新年行事 12月中に「事始め式」、正月に近所の子供に「お年玉3万円」配った例も

2020年1月、山口組弘道会本部で「特定抗争指定暴力団」に指定されたことを示す標章を貼る愛知県警の捜査員ら。以降「この事務所に立ち入り、又はとどまることは禁止」となった(時事通信フォト)

2020年1月、山口組弘道会本部で「特定抗争指定暴力団」に指定されたことを示す標章を貼る愛知県警の捜査員ら。以降「この事務所に立ち入り、又はとどまることは禁止」となった(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、暴力団の新年行事について。

 * * *
 12月13日、六代目山口組では今年も「事始め式」という行事が行われた。この日、六代目山口組の司忍組長、ナンバー2の高山清司若頭らをはじめ、多くの直参組長が静岡県浜松市にある国領屋一家の事務所に集まった。

「事始め式」は「今年はお世話になりました。来る年もよろしくお願い致します」と新年の挨拶を交わす行事である。それを一足早く行うのだが、なぜ12月13日になったのかという理由については所説あるらしい。暴力団関係者S氏によると、一説には忠臣蔵として有名な赤穂浪士四十七士の討ち入りからきているという。討ち入りが行われたのは1702年12月14日(旧暦)。兵庫県赤穂市の浅野家の家臣たちが、主君の仇討ちのため、江戸、本所松坂町の吉良邸に向け事を始めたのが13日。そのため、この日を事始めとしたとの説があるという。

 テキヤである露店の商売事情からこの日になったという説もある。テキヤ商売は年末から年始にかけての時期が忙しく、かき入れ時になる。初詣客が集まる全国各地の神社などで露店を開くためだ。仕事があるため、新年の挨拶ができるようになるのは正月明けになる。そのため一足先に、新年を迎える挨拶をすませておこうということらしい。世の中はクリスマス一色になるこの時期から、彼らは新年の準備が始まるのである。

 山口組の事始めといえば、総本部がある神戸市で開催されていたという印象が強いが、六代目山口組は特定抗争指定暴力団に指定されているため、事務所への立ち入りは禁止。神戸市も兵庫県公安委員会により組の活動を厳しく制限する警戒区域に設定されている。司組長や高山氏の出身母体弘道会の事務所がある名古屋市も愛知県公安委員会が警戒区域に設定。警戒区域では事務所への立ち入りが禁止、5人以上で集まると即、逮捕されるという事情もあり、浜松で行われたという。

 事始め式は、組長が不在の時や世の中の情勢が悪い時は「納会」という名称で行われることもあり、五代目山口組の時代は納会として開催されることが多かったとS氏は話す。今年の事始め式では、令和5年度組指針も示された。額入りの組指針に書かれていたのは「和親合一」の文字。これは平成29年度からの組の指針であり、和をもって内を固めるという意味だという。その前は「有意拓道 道なき道を柔軟に切り拓く」という組の指針が示されていた。

関連記事

トピックス

米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
女性初の自民党総裁に就いた高市早苗氏(時事通信フォト)
《高市早苗氏、自民党総裁選での逆転劇》麻生氏の心変わりの理由は“党員票”と舛添要一氏が指摘「党員の意見を最優先することがもっとも無難で納得できる理由になる」 
女性セブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン