B夫:アメリカのデータでは「コデインは効かない」というものもあるし、効くかどうかわからないかぜ薬をのむよりも、しっかり栄養を摂って家で寝ているのがいちばん。
A子:処方薬も一緒だと思う。昔、病院の先生にも聞いたことがありますが「何もせず家で寝ていてください」と言いたいところだけど、患者側も薬を求めて来ているから、かぜ薬を出さざるを得ないと言っていました。
C美:ただ、うちは個人でやっている薬局で人手が足りないから、どうしてものどが痛いときは、安全性の高い「トラネキサム酸」が主成分の薬をのんでいます。
A子:私もお客さんと話すこともある立場としては、トラネキサム酸は常備しています。あとはかぜのひき始めに「麻黄湯」や「葛根湯」を使うこともあります。
B夫:仕事を休めないとき、なんだかんだ薬は強い味方になりますよね。ちなみに皆さん、解熱鎮痛薬は何を使っていますか? ぼくはどうしても熱を下げたいときや痛みを抑えたいとき、「ロキソプロフェン」をのみます。ここは薬剤師でも意見が分かれるところだと思うのですが、いかがでしょうか。
A子:確かによく効くし、うちの店でもよく売れているけれど、私はのみません。効果が大きいということは、それだけ副作用もあるということ。ロキソプロフェンやアスピリン、ジクロフェナクに代表される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、腎臓に負担がかかりやすいし、胃やのどに炎症を起こした患者の話も聞いたことがある。のむならアセトアミノフェンにしています。
C美:私もロキソプロフェンはパス。私は高血圧気味なので長くのみ続けると血圧が上がるという副作用が気になります。
A子:いずれにせよ、長期間薬をのみ続けるメリットはないと思う。痛み止めといえば、最近問題だと思っていることがあるんです。向精神薬の「エチゾラム」や「デュロキセチン」が、整形外科で肩こりや腰痛の痛み止めとして処方されているケースがあまりに多くないですか?
B夫:確かにぼくが勤務している調剤薬局でも散見されます。これらの薬は脳の中枢神経に作用して痛みを抑えると考えられていて、実際に添付文書の効能・効果の欄にも肩こりや腰痛に効くと書いてあるから、決して間違いではない。だけど向精神薬は、うつ病罹患者ではない人が服用することで逆にうつ病のリスクが上がるし、高齢者は認知機能が落ちる副作用もある。痛みをとるためだけに、これらの薬は使用しない方がいいと思っています。
C美:医師の処方が間違っているわけではないから、私たちから患者さんに “この薬は危ない”と伝えることができないのが歯がゆいところ。
A子:「私ならのまないけれど……」と思いながら黙って処方するしかないのが現実です(苦笑)。
※女性セブン2023年1月19・26日号