知らない人と恋をするのはなぜ?
「理由は2つ考えられます。1つは、睡眠時間が長くなったから。一晩の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の周期があり、周期を多く繰り返すとレム睡眠の時間が長くなります。そうなると、夢を見る時間も長くなり、内容も覚えていやすい。
もう1つは、ヤクルト1000を飲んだ人の特徴です。そもそも、睡眠を改善する食品を摂ろうという人は睡眠に問題を抱えている人が多いはず。眠れないということは、心理的圧迫感がある人が多い。そういう人が眠れるようになって見た夢は、悪夢度が高いだろうと推測できます」
同じ内容の悪夢を何度も見る人もいるだろう。そういう人は、わが身をよく振り返ってみた方がいい。
「現実で似たような状況に置かれると、同じ夢を見やすい傾向があります。たとえば、スポーツ選手がスランプのときに見る夢がいつも同じだとか、ビジネスマンが異動の時期になると、似通った夢を見るという例があります。精神的に追い込まれたときや、困った事態に置かれたときに見るのも悪夢が多いようです」
訓練すれば明晰夢も見られる
好きなスイーツを食べたり、お気に入りのアイドルと仲よくしている場面など「もっと見ていたかった」と思う夢もあるが、実は、努力すれば見たい夢を見られるようになる。
「寝る前にアイドルの写真などを見れば、関連した記憶が夢に出やすくなります。また、夢の中で“私はいま夢を見ている”と認識し、その上で思いっきりビルから飛び降りるなど、“夢の世界を楽しむ『明晰夢』”も訓練により見られるようになります。夢の世界をよく観察して、現実と夢の違いに着目することが第一歩になります。明晰夢を見ると、幸福感を得られたり、ストレス解消にもなります」
とはいえ、夢の内容をコントロールするまでは至難の業である。
お目当てのアイドルの夢を見られたとしても、拒絶されたり、近づいたら別人の顔だったりする可能性もある。でも、それが夢というもの。
科学の進歩により予知夢など、夢の夢なる部分は暴かれた。夢を気にするより、むしろ良質の睡眠をとることを心がけたい。
※女性セブン2023年1月19・26日号
レム睡眠時にはストーリー性のある夢を見がち