スポーツ

今年のセ・リーグは大混戦か 救援陣不安・スタメン高齢化の巨人が「最下位に沈む可能性」も

今オフは積極的に動くことを明言していたが……(写真/共同通信社)

今オフは積極的に動くことを明言していたが……(写真/共同通信社)

 今年のセ・リーグは戦力格差が少ないと見られている。リーグ3連覇を狙うヤクルトが優勝候補の筆頭だが、守護神・マクガフが昨季限りで退団。先発ローテーションも右肘痛で昨季1試合登板のみに終わった奥川恭伸の実戦復帰が不透明な状況で、軸になる投手が少ない。ヤクルトを取材するスポーツ紙記者は、こう分析する。

「ヤクルトはリーグ連覇を飾った2021、2022年と2年連続2ケタ勝利を挙げた投手がゼロ。強力打線と盤石な救援陣で白星を積み重ねてきました。今年は2年目左腕の山下輝、東芝からドラフト1位で入団した右腕・吉村貢司郎が先発枠に食い込んできてほしい。打線は不動の4番・村上宗隆のマークがさらに厳しくなる。勝負を避けられる場面が増える中、オスナ、サンタナがポイントゲッターとして稼働できるか。あとは主将の山田哲人ですね。トリプルスリーを3度獲得した全盛期に比べて明らかに力が落ちている。下半身の粘りがないように感じました。技術うんぬんより、コンディションを取り戻せばきっちり結果を残すと思いますが……」

 ヤクルトの対抗馬と見られているのがDeNAだ。投打のバランスが良く、旬の選手がそろっている。メジャー挑戦の意向を表明していた山崎康晃が残留を決断したことも朗報だ。昨季共に11勝をマークした今永昇太、大貫晋一のダブルエースで、大型連敗は考えにくい。打線のキーマンはオースティンだろう。昨季は右肘のクリーニング手術を受けた影響で出遅れたが、高い打撃能力でフル出場すれば、三冠王を狙える位置につけても不思議ではない。懸案は正捕手か。昨季チームトップの74試合でスタメンマスクをかぶった嶺井博希がFAでソフトバンクに移籍。伊藤光、戸柱恭孝の奮起が期待される。

 残りの4球団はどうだろうか。他球団のスコアラーは「阪神は先発ローテだけ見れば独走しても不思議ではない」と語る。

「青柳晃洋、西勇輝、伊藤将司の3本柱に西純矢、才木浩人、秋山拓巳、救援から配置転換される岩貞祐太と層が厚い。ここに新外国人投手も加わる。藤浪晋太郎がメジャー挑戦で抜けたとしても影響はほとんどないだろう。問題は打線が機能するかに尽きる。遊撃のレギュラーが不確定で、外野の両翼も埋まっていない。三塁に固定の佐藤輝明も殻を破り切れていないので、岡田彰布新監督がどう組み立てるかですね」

 新井貴浩監督が就任した広島は坂倉将吾を三塁から捕手にコンバート。リーグ3連覇を飾った黄金時代のメンバーに陰りがみられる中、若返りをスムーズにできるかがポイントになる。最下位に低迷した中日は今オフ、セ・リーグの球団の中で最も積極的に血の入れ替えを敢行した。阿部寿樹、京田陽太をトレードで放出して涌井秀章、砂田毅樹を獲得。アルモンテが3年ぶりに復帰し、カリステ、アキーノを補強した。新外国人野手3人の加入で、ビシエドのレギュラーも保証されていない。二塁はドラフト2位・村松開人(明大)、6位・田中幹也(亜大)ら新人に定位置獲得のチャンスがある。顔ぶれが一気に変わることで、チームが劇的に変わる可能性がある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン