スポーツ

女子プロレス団体『スターダム』生みの親が語る「ブームにさせない人気戦略」

スターダムの生みの親ロッシー小川氏

「スターダム」の生みの親・ロッシー小川氏が戦略などを明かしてくれた

 旗揚げ戦から450人もの観衆を集めて会場は超満員、その半年後には後楽園ホールに進出、「スターダム」と名付けられた女子プロレス団体は、今では男女合わせて観客動員数プロレス業界第2位の地位まで登り詰めた。その裏には創業者・ロッシー小川氏(現エグゼクティブプロデューサー)の様々な戦略があった。

「2011年に愛川ゆず季が東スポの女子プロレス大賞を受賞して団体の象徴ができたので、あとは若い選手が成長していくだけでしたね」

 スタートダッシュ成功の裏には“選手の育成システムの確立”があったという。団体ごとの哲学が異なるため、プロレスを成立させるには同じ団体内での興行であることが望ましかった。

「昔は1人のスター選手がいれば成立していましたが、今は複数のタレントが盛り上げる時代です。またSNSの普及により個々の発信力で誰もがその場で言いたいことを言える時代になった。どの選手にも“ストーリー”があり、ファンがそれに注目するようになったことが大きい」

 小川氏は選手たちに“テーマ”を持たせ、様々なドラマを課していく。

「たとえば月山和香はデビューしてからまだ未勝利どころか100敗以上している。彼女がこの先どうやっていくか考えるだけで面白いじゃないですか」

 現在の団体の人気にはきわめて冷静だ。

「ブームは2年で終わりますから急な人気には一喜一憂しません。じわじわ右肩上がりで地力をつけ人気を得ていけば良いと思います。ただし将来的には『女子プロレスはスターダムを見ればわかる』となり、日本だけでなく世界をリードする団体にするのが目標です」

取材・文/青野有城 写真/(C)STARDOM、小倉雄一郎

※週刊ポスト2023年1月27日号

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト