それにつけても、観客のペンライトパフォーマンスにも舌を巻いた。曲のカラーに合わせて、ライトの色を切り替えて、リズムに合わせて振っている。魂がこもる技巧的な音楽に身を委ねつつ、光の洪水が動く様子、会場の一体感にも包まれる。「アイドルのコンサート」でありながら、一流ミュージシャンの演奏も楽しむという、贅沢な時間を味わった。
MCでも観客の心をつかむ。稲垣吾郎が前日来てくれたこと、そして、めったに電話をしない稲垣なのに、「“あの曲で泣けたよ”と言ってくれたの。うれしかった」と語り、「今日はつよぽん(草なぎ剛)が来て……いないんです」と笑いをとった。
草なぎは、現在放送中の主演ドラマ『罠の戦争』(フジテレビ系、月曜夜10時)の撮影中。復讐をテーマにしたこの話題作の主題歌は、新曲『BETTING』(香取慎吾×SEVENTEENによるコラボレーション楽曲)だ。1月17日に配信したばかりのこの曲もアンコールで初披露した。
ライブ後半は、「今っぽい新しい音楽」と誰もが思う楽曲が次々と登場した。そのバリエーションがあまりにも豊かなので、アルバムのライナーノーツを詳しく見る。するとそこには「feat.○○」とあった。これは、フィーチャリングの略で、メインのミュージシャンのほかにゲスト参加する人を指している。
後半で参加したのは、ミュージシャン・田島貴男、ポップバンド・yahyel、ラッパー・KREVA、ソウルバンド・WONKなど。時代の先端を走る彼らと作った個性あふれる曲を、香取は華やかで切れ味あるダンス、パワフルで優しい歌声で表現していく。
ロック、ソウルなどの音楽のジャンルの「いいところ」を香取がくっきりと表現。曲ごとにジャンルは変わっているのに、調和している。これは彼のライブでないと体験できないことだと感じだ。