──初回盤のカップリングでは少年隊の『グッバイ・カウント・ダウン』、光GENJIの『…。』をカバーされています。改めて先輩たちの曲を歌って感じたことは?
「ぼくらが楽曲デビューする前に、何度もステージで歌わせていただいた曲です。音楽ってタイムマシンみたいなものだから、いまでも歌うと当時の情景がよみがえり、あの頃の自分に会いに行ける。『ああ、だからぼくは音楽が好きなんだ』と、改めて思いましたね。レコーディング中は、ぼくたちの前をたくましい背中を見せて歩いてくださった先輩たちに感謝を込めて歌わせていただきました」
──いま、デビュー当時の自分に声をかけられるとしたら、何を伝えたいですか?
「『人はいろいろ好き勝手言ったりする。人が本当の君を見てくれる瞬間は少ないかもしれない。でも自分のままに生きていれば大丈夫』。そう伝えたいです。ずっと昔から自分をよく見せるために取り繕うことが嫌いで、ぼくはできなかったんです。それで人とぶつかることもあったし、だんだんそれに疲れて『自分の思っていることは言わない方がいいんだ』となってしまった時期もあった。そうするとどんどん自分ではない自分が出来上がっていきました。時代の流れもあったし年齢も若かったので、そこに立ち向かう勇気も強さもなくて悩んだり傷ついたり。だからそのときの自分に『自分のままに生きていたらとりあえず大丈夫だから、頑張りや』って言ってあげたいな」
──最後に、2023年はどんな年にしたいですか?
「昨年はアパレルに関するお仕事をいただけて、すごくうれしかったんです。いままで知らなかった世界に挑戦して、新たな自分に出会えたことが新鮮だったので、今年もそんな自分に会えたらいいなって思います。きっとこれまではみんな、2年後にはこうなっていたいとか、なんとなくの理想があったと思います。でもコロナの時代が訪れて、それがすべて崩壊してしまった。未来を思い描けない時代が来るなんて誰も予想できなかったですよね。さっきの過去の自分へのエールと一緒で、とにかく自分のままに生きていくことが、誰にとってもいちばん重要なんだと思っています。自分が愛のままに生きて、愛を思うことを忘れなければ、素敵な人たちや時間につながると思っています。そんな思いを大事にして今年も過ごしていきたいです」
(堂本光一のインタビューはこちら )
※女性セブン2023年2月9日号