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EXIT兼近大樹に”ルフィ事件”の余波続く 過剰な追及を続け、何らかの制裁を求めることの問題点

EXITの兼近大樹(時事通信フォト)

EXITの兼近大樹に余波が続く(時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、広域連続強盗事件の指示役の一人と過去に接点があったことからテレビ出演見合わせなどが続くお笑いコンビEXITの兼近大樹(31才)について。

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 地上波のテレビから消える? 「相方のりんたろー。(36才)は2度目の正念場」などとメディアで取り上げられているお笑いコンビEXIT。兼近大樹が、広域連続強盗事件で”ルフィ”を名乗る指示役を務めていたとされる渡辺優樹容疑者と接点があったとメディアで報じられ、「過去に知り合いだったのは事実」と自身のYouTubeチャンネルの生配信で語ったのだ。

 接点というのが2012年、兼近が逮捕された札幌市の窃盗事件。疑われただけで窃盗とは関係なく不起訴となったのだが、この事件で渡辺容疑者も逮捕されていたのだ。単なる知人というのとは違う接点に、”昔はそんなにヤバかったのか!?”と思ってしまった。だが一番驚いたのは、忘れていただろう容疑者の名前を耳にし、顔写真を見た兼近本人ではなかっただろうか。容疑者との関係を生配信で質問され、「知りません。あの人が何をしてきたかなんて」と答えていたのは彼の率直な気持ちを示しているだろう。

「過去は追いかけてくる」と、2日に出演したABEMAの情報番組『ABEMA Prime』で相方りんたろー。が語った言葉が、今の彼の心情や置かれている状況を映し出す。とはいえ自身の逮捕歴などについては、2019年、『週刊文春』に報じられたのを機に潔く認めていたし、札幌での窃盗事件も10年以上前になる。しかし、これだけ社会的な影響がある事件だ。その指示役とみられる容疑者と知り合いだったとなれば、仕事に影響が出るのも致し方ない。2月1日に予定されていたコスメブランドのトークイベントは出演が中止となり、CM動画は削除、レギュラー出演していた番組も出演見合わせとなった。

 先輩芸人らをはじめ、彼を擁護するコメントは数多い。今の兼近は過去の悪事を認めた上で活躍の場を広げてきた。様々な番組で語る彼の言葉は「素直で嘘がない」「心に刺さる」と人々の共感を呼び、ファン層を広げてきたこともある。ここで再び彼の過去を蒸し返すのは、何か違う気がする。

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