国内

元2世信者・小川さゆりさんが明かす旧統一教会の合宿 ショックを受けた男性班長の行動

高校生時代。きょうだいのなかでも特に熱心な信者だったという

高校生時代。きょうだいのなかでも特に熱心な信者だったという

 旧統一教会信者である両親から止められ、教団から妨害されても屈せず、顔を出して宗教2世としての被害を訴え続けてきた小川さゆりさん。そんな彼女が自らの半生を綴った手記『小川さゆり、宗教2世』が、来月刊行される予定だ。教会や両親への赤裸々な思いを綴った覚悟の手記の内容について独占告白──。【第2回。第1回から読む

 * * *
 高校3年生の冬、当時信仰が高かった私は、祝福を受けて合同結婚式に参加したいと思っていました。誰かをこの世で一番に愛してみたい、愛されてみたいと思ったし、前々から私は教会が「神が選んだ国」とする韓国の人と結婚したいと思っていました。

 この祝福結婚を目指して、2014年の冬、私は21日間の修練会(※統一教会の教義を学ぶためのイベント。上記の21日間の修練会への参加は、合同結婚式に参加するために必要だったという)の合宿に参加しました。合宿では男女は基本的に別行動でしたが、班をまとめる班長は特別でした。私は一緒に行動していた修練生の女の子と、この修練会で10歳以上年上の男性班の班長と仲良くなり、よく3人で話すようになりました。この男性班長は、司会進行補佐も務めていて真面目な人に見えました。

 この修練会が終了した次の日は閉会式がありました。修練生全員で修練場の清掃をしていたときのことでした。

「ちょっと手伝ってもらおっかな」

 清掃の途中に、その男性班長から声をかけられました。彼の後ろをついていくと、人気のない場所へ連れていかれました。学校の教室くらいの広さの部屋で、その部屋には倉庫のような個室があり、そこへ誘導されました。

 彼はスマホを取り出して、私の横に並んで内カメラにして一緒に写真を撮りました。そのとき、彼は私の腰に手を回してきました。少し緊張していたのか、あるいは興奮していたのか、彼の手は不自然に震えていました。

 それから彼は私に向かい合い、私だけの写真も撮りました。撮影後に、頭を撫でられたり、頬を両手で触られたりしました。男性班長は、終始ニヤニヤとした笑みを浮かべていました。

 そこに一緒にいた時間は、2分間もなかったかと思います。班長の誘導ですぐにその部屋を出ました。

 この短い出来事に、私は大きなショックを受けました。教会では男女の身体的な接触は禁止されています。それなのに、信仰上の先輩である班長がどうしてそんなことをするのだろう、と恐ろしくなったからです。

 合宿の解散後、帰りの夜行バスの座席に座りSNSのアプリを開くと、先ほど写真を一緒に撮られた班長から、友達申請とメッセージが届いていました。

「○○だよ」と男性班長の名前が書かれていました。それは修練会中に送信されていたことに気づきました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン