ホスト界の帝王といわれる彼にとって「ムダ毛は汚れ」。20才頃から全身を脱毛し、現在は脱毛サロンもプロデュース
「2017年にパナソニックから家庭用ボディトリマーが発売され、家で手軽に毛を整えられるようになったことがきっかけだったように思います。VIOのトリミングにも対応していて、剃った毛がちくちくしないのがウリ。当時は欠品になるほどの大ヒットとなりました」
とはいえ、その後、定着しなかったのは、銭湯や温泉などで奇異の目で見られることがブレーキになっていたのではないかと藤村さんは推測する。
「ところがコロナ禍で温泉などに行くことも減り、気兼ねなく自分らしく過ごす時間が増えましたよね。そして自分の処理後の姿に“慣れた”ことも大きかったと思います。2〜3か月ごとにトリミングするうちに、それが面倒になって“じゃあ医療脱毛をしちゃおう”という人が増えたのではないかとみています」(藤村さん・以下同)
脱毛男子を作ったのは女性の意識改革
そこに介護目的という大義名分が加わり、さらに心理的ハードルが下がったのかもしれない。
「そもそもVIOの毛は太くて縮れているのでにおいや汚れを吸着しやすく、さらに蒸れやすい場所。衛生的にみて介護のためと謳う気持ちもわかります。でも結局のところ、脱毛の理由は『自分がしたいから』に尽きる。これからは体毛もデザインしていく時代になると思いますよ」
ここで、別掲のグラフを見てほしい。脱毛に興味があると答えた10代男性は66%にものぼる。白くてツルツルの肌になりたい彼らの理想像はずばり、K-POPアイドルたちだ。
「Z世代(1995年〜2011年生まれ)はその影響を間違いなく受けていると思いますが、その前に言えるのは、女性たちが最初に韓流にハマっていたことが大きい。
BTSがグローバルな人気を得ていたときも、男性たちは最初、様子見でしたよね。女性たちは芸能人だからああいうのもアリだとなっていたのが、次第に彼氏や夫に降りてきた。女性の意識改革が先だと思うんです。『いいじゃない』っていう女性の一声が男性たちの『やってみよう』という背中を押したのではないでしょうか」