りり子:うちでは、おひたしやしりしり、きんぴらをよく作りますね。ごま油で炒めて、塩、しょうゆ、みりんで味付けして……。同じような作り方で、ちょっとだけ調味料を変えるような献立が多いです。大根の皮や葉、にんじんなんかをお料理すると彩りもいいのでよく作ります。
幸子:りりちゃんは、にんじんのお料理と炊き込みご飯がとっても上手よね。
りり子:食べるときはいつもだいたい「おいしい」って言ってもらえるので、作り甲斐はありますね(笑い)。気をつけているのは、塩分と油分。特に塩分量が多くなりがちなのは和食の唯一の欠点ですね。
〈献立については、幸子さんからの提案もあるという〉
幸子:提案どころか命令よね(笑い)。
りり子:毎回じゃないですけど、結構そうかな。
幸子:でも、自分の料理に関心を持ってくれて、おいしいとかまずいとか言ってくれる人がいるっていいことだと思うんです。主人は食いしん坊だったから、私も作り甲斐がありました。
りり子:あとはご飯とおみそ汁も好きだよね。一昨年の2月に、初めて自分でみそを仕込んだのですが、これがおいしいんですよ。まさに手前みそなんですが。
幸子:朝はあれだけでもいいわね。
りり子:だからご飯とおみそ汁と、お野菜っていうのがわが家の定番献立ですね。もちろん、お肉やお魚もいただきます。鎌倉には鶏肉の筋だけを売ってくれるようなわがままを聞いてくれる古くからのお店が何軒かあるので、重宝していますね。
野菜は庭で摘んだ野草も使いますが、農協に買いにいくことが多いです。朝摘んだものだから新鮮なんですよ。料理は素材選びから始まっていると思います。素材がおいしかったらあまり手を加えない方がいい。
幸子:ごもっともでございます。りりちゃんも、そんなこと言うようになったのね(笑い)。お料理については、私の体を気にしつつ、おいしいものを作ってくれるので、本当に感謝しています。食べる前に料理の写真を撮ること以外はね、文句ありません。
〈仲のいい2人だが、食事前の写真撮影だけはいただけないと、幸子さんは言う〉
りり子:それ、何度も言われます(笑い)。SNSに写真を上げるのと、記録用に撮っているんです。去年のいま頃、何を食べていたのかわかると、献立の役に立つんです。フキノトウなんて、だいたい同じ時期ですけど、今年は遅いとか早いとかわかりますし。日記帳みたいなものなんですけどね(笑い)。