ライフ

コロナ禍の中で美容医療を受ける人が急増、リモートワークの影響などか?

写真はイメージ(AC)

写真はイメージ(AC)

※本記事は、ヒフコNEWSからの転載記事です。

 ヒフコNEWSでは世界の美容医療トレンドを伝えたが、この中で世界で最も治療件数が多いのは米国だった。米国形成外科学会(ASPS)が、「ASPS Insights and Trends Report」と呼ばれる新しい調査を実施し、コロナ禍で経済状況が不透明な中で、美容整形を増えている人が増えている状況があると分かった。

米国で人気の美容医療とは?

 レポートでは、コロナ禍が米国の美容整形外科にどのような影響を与えたのかについて調査している。このレポートは、米国形成外科学会が行った調査を基に、人々がどのように美容医療を受けていたかを分析している。レポートによると、米国には、専門的訓練を受けた形成外科医のほかに、美容外科医という2つの専門性を持つ医師が存在しているが、今回の調査対象は形成外科医だと説明している。

 コロナ禍において、美容整形手術を行う4分の3のクリニックが収入を上げ、約3割は2倍以上になっていた。これはコロナの規制解除の後も続いている。

 コロナ禍で美容整形を希望する理由のトップ5つは次の通りだ。

【1】ストレスのかかったコロナ禍の後に、リフレッシュして若々しく見せたい

【2】コロナ禍の制限で人と会うようになり、自分の体が気になるようになった

【3】コロナ禍では手術を延期せざるを得なかった

【4】自己肯定感、自信を持ちたい

【5】ビデオ通話をきっかけに外見の改善点に気づいた

 2021~22年にかけて人気だった美容整形手術トップ5は次の通り。

【1】脂肪吸引

【2】フェイスリフト

【3】豊胸手術

【4】腹部脂肪切除(タミータック)

【5】乳房挙上術(バストリフト)

 一方で、手術以外の美容医療のトップ5は次の通り。

【1】ボツリヌス療法

【2】フィラー治療

【3】非外科的痩身治療(ボディコントアリング)

【4】非外科的肌引き締め治療(スキンタイトニング)

【5】スキンケア

 年齢別で見ると、30歳未満は、くちびるをふっくらさせる治療、豊胸手術、頬のインプラントを希望することが多い。また、31歳から45歳では、フィラー治

美容医療が人気である5つの理由

 学会の分析によると、米国で美容医療が盛んになっている理由は5つほどあるようだ。一つは、在宅で仕事をする人が増え、自分自身に集中できる自由な時間が増えたこと。もう一つは、旅行や外食にかける費用が減り、美容医療に多くのお金を割けるようになったこと。

 また、さらにもう1つの理由は、若い世代が美容医療に関心を持つようになったこと。ソーシャルメディアから簡単に情報にアクセスでき、自分の経験を共有できるため、美容医療がより身近に感じられるようになった。その結果、美容医療について十分な知識を持ち、医師と情報交換する機会が増えているようだ。このようなメディアの影響はヒフコNEWSでも世界のトレンドとして伝えているが、米国でも影響が確認できるようだ。

 その他、ビデオ通話が増えて、自分の外見を意識するようになり、顔や首の美容整形手術が増えたことも理由として挙げられている。また、自分の美や健康を高めるために行動することが社会的に許容されるようになったという価値観の変化もある。

 40%以上の形成外科医が、最初のカウンセリングから実際の手術までの待ち時間がパンデミック以前より長くなっている。そのため美容整形を検討している人は、できるだけ計画的に、希望する手術に特化したクリニックを選択するとよいと説明する。

 米国ではコロナ禍で美容医療の人気に火が付いているようだが、同じように日本でも美容医療の人気の高まりが見られる側面はありそうだ。

参考文献

https://www.plasticsurgery.org/documents/News/Trends/2022/trends-report-cosmetic-surgery-2022.pdf

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

 ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン