必要なのは“人間性からただよう匂い”
──城咲さん自身は、全盛期はいくらくらい売上があったのですか。
「年収、何億円あったのかな。余裕はありました。ほかのホストと桁が違ったと思います。ナンバー2の子たちの1カ月の総売上が200、300万円のところ、僕はひとりで6000万円とかあったから」
──ホストとして売れるには、どうすれば良いでしょうか。
「飲んで楽しい人、喋りが面白い人、色気がある人。僕、別に顔もそこまで良くないんですよ。ナンバー2だった子のほうが格好が良かった。僕は友達営業って呼ばれるタイプのホストでしたね。僕、よく『匂い』っていう言葉を使うんだけれど、SNSでかっこつけたり、整形してもダメなんですよ。そんな奴には人間の深さがない。人がどうして“この男にお金を払いたい”って思うかと言うと、やっぱり“人間性からただよう匂い”が必要なんです」
──今のホストクラブで働くのなら、どのような接客をしますか?
「城咲仁のこのスタイルで通じると思いますよ。2019年に一度だけホストに復活した時も、混みすぎて席を回り切れなかった。僕が真ん中にいて、取り囲むようにお客さんを詰め込んで接客しました。お客さん同士が仲良くなったりとかしましたよ(笑)」
──どうして城咲さんの接客は、そこまで人を惹きつけるのでしょうか。
「一生懸命だからだと思います。人間が好きだからみんなを楽しませたい、指名されたのだから、その人の時間を損させたくないっていうことだけに集中してきた。
現役のホストからもよく“売れるためにはどうすれば良いのか”と聞かれるんです。もう集中力と洞察力。ホストの中には“これぐらいやればいいや”っていうタイプも多い。そういう態度だとファンになってくれた子が離れていくからね」