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高田文夫氏が綴る「コント赤信号・渡辺リーダーの死亡説」 本人は「やめてよ」と元気な様子

明るいリーダーは健在(イラスト/佐野文二郎)

明るいリーダーは健在(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、三宅裕司、コント赤信号リーダーの渡辺正行、ラサール石井に、一番の若手が東貴博(東MAX)という、おじさんばかりの一座などについて綴る。

 * * *
 爆笑問題・太田光の深夜ラジオを聞いてたら「渡辺リーダー(赤信号)から記念の回をやるから渋谷“ラ・ママ新人コント大会(リーダー主宰の若手ライブ)”に出てくれと。打ちあげで思いつめたように“ラ・ママ”をたたもうと思うって言うんだよ。顔見たらなんか黒ずんでてさ、頬もこけてんの。オレはすぐ分かったね、ハハーンこれはリーダー近々、死ぬなと」

 何でも真に受ける私は恒例の“熱海五郎一座”公演も近づいた座長の三宅裕司に私のラジオ番組に来てもらった。「ナベちゃん死ぬんだって? もっぱら“死亡説”流れてるけど」と言うと「それでか……稽古場に来てもボンヤリしてることが多いんだよね。台詞も覚えられないし……まっこれは昔からだけど」。その2日後、漫才協会主催の「漫才新人大賞」の審査員として私もリーダーも呼ばれていたので会うと第一声、元気な声で「ちょっとやめてよ、死亡説流すの。気の早い奴なんか香典送ってきてんだから」だとアハハ。かつて志村けんにも死亡説が流れたことがあったがやたらあの時は元気だった。

 座長の三宅が72歳、座員の渡辺やラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太。ほとんどが70近いおっさんばかり。一番の若手が東MAXという熱海五郎一座。新橋演舞場に進出してからもう第9弾。今年のゲスト女優は檀れい、ももクロの玉井詩織(5月31日から6月25日)。『東京喜劇 幕末ドラゴン』。

 思えば三宅、渡辺の先輩後輩関係は長く濃い。明治大学の落語研究会時代、三宅の2年下に今の志の輔、その2年下に渡辺正行である。意外なことに小遊三は同じ明治大学でも落研ではなく卓球部であった。

 大学という最高学府に落語の研究という最も庶民的で柔かいクラブを最初に創設したのは早稲田大学時代の小沢昭一である。あの人の功績は大きい。ちなみに先日三宅、志の輔、渡辺の3人で落語会を開いたそうだ。

 人材を輩出する明治に対し我が日芸の落研も、先日私の同期古今亭右朝(52歳早逝)の23回忌追善公演を大成功させた。日芸は私と右朝、1年後輩に故・森田芳光監督、ずっと下にバリバリの志らく、一之輔がいるので心強い。今度なぜか皆な連れて初の山形公演。合宿気分で「オール日芸寄席in山形」。7月18日(火)山形市民会館大ホール。私、志らく、白鳥、一之輔、テツandトモという強力メンバー。山形で日芸なので故・ケーシー高峰先輩も来ちゃうかも。グラッチェ!

※週刊ポスト2023年6月2日号

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