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市川猿之助一家の悲劇、両親はなぜ巻き込まれたか 段四郎さんが抱えていた「生涯、脇役」の宿縁

段四郎さんは「生涯、脇役」

段四郎さんは「生涯、脇役」の宿縁をどう思っていたのか

 5月18日の午前10時過ぎ、歌舞伎俳優の市川猿之助(47才)が自宅半地下で倒れているところを発見され、緊急搬送された。2階のリビングでは父親の市川段四郎さん(享年76)と母親(享年75)が並んで仰向けで倒れており、布団が掛けられていた。母親はその場で死亡が確認され、段四郎さんは搬送先の病院で亡くなった。事件があった18日は、共演者やスタッフに対する、猿之助によるセクハラ・パワハラ疑惑を報じた本誌『女性セブン』2023年6月1日号の発売日だった。

 なぜ段四郎さん夫婦は亡くならねばならなかったのか。夫婦が「老老介護」であり、追い詰められた精神状態であったことが指摘されている。

「段四郎さんは2013年の猿之助の襲名公演の途中で体調を崩してからは、表舞台には立っていません。最近はご自宅で療養されていたと聞いています。肝臓がんを患っていたうえ、それ以前から、セリフを覚えるのに苦労するといったことが重なっていたそうです」(歌舞伎評論家)

 猿之助は歌舞伎公演にテレビに映画にと出ずっぱり。必然、父の介護の負担は高齢の母にかかることになる。

「献身的に介護をなさっていました。生来、面倒見のいいかたで、歌舞伎公演のロビーでは、よその家の女将さんにも分け隔てなく接してくれる“まとめ役”のようなかたで、ご贔屓筋からの評判もよかった」(前出・歌舞伎評論家)

 ただ、芸能関係者はこう語る。

「猿之助さんが介護を手伝うことはほとんどなかったが、同居はしていたし、段四郎さん夫婦の親戚にあたる女性マネジャーが頻繁に介護を手伝っていたので、そこまで追い詰められているという状況ではなかったはずでは……」

 段四郎さんは、兄・猿翁(三代目猿之助、83才)を支える名脇役として活躍してきた。ただ、一時は息子とともに猿翁の一座を離れたこともあった。それは「猿翁と一緒にいたらずっと主役にはなれない。“生涯、脇役”の立場を息子に強いたくない」という親心だったという。

「猿之助さんと、(猿翁の息子である)市川中車さん(香川照之)のいびつな関係を誰よりも理解していたのは、段四郎さんだったのかもしれません。次男だからという理由で脇役として生きてきた段四郎さんは、澤瀉屋のリーダーとなった猿之助さんのことが誇らしかったでしょう。しかし、思わぬセクハラ・パワハラ疑惑に接し、息子の将来を、これまでの自分に投影し、“脇役に甘んじなければならない運命なのか”とその宿縁を悲観したのかもしれません」(前出・歌舞伎評論家)

 猿之助は事件翌日に搬送された病院を退院し、別の病院に移ったとされる。

「警察は、薬物の入手ルート、スマホに残された情報、当日の行動などを慎重に捜査しており、事件性の有無の判断まで1か月ほどかかるのではないかとみられています」(前出・全国紙社会部記者)

 不死鳥のように歌舞伎界が再び舞い上がるには、携わるすべての関係者が根本原因を直視する必要があるのは、言うまでもない。

※女性セブン2023年6月8日号

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