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現役CAが教える「飛行機恐怖症」への対処「助けを求めるのは恥ずかしいことではない」

飛行機恐怖症(写真/アフロ)

飛行機恐怖症はどう対処する?(写真/アフロ)

 特定の事物や状況に不安や恐怖を感じる恐怖症。例えば、「飛行機恐怖症」もその一つ。どのような症状で、どう対処すればいいのか。

「ぼくら飛行機に慣れているCA(キャビンアテンダント)でも、寝不足や脱水、疲労がたまった状態で乗務すると、具合が悪くなることがあります。言い換えれば、飛行機の中で体調を崩すのは誰もがあり得ることです」

 そう語るのは、カナダの外資系航空会社に勤めるCAのRyucrewさんだ。

 飛行機に乗ることを恐れる「飛行機恐怖症」は、高所や閉所への恐怖、事故やテロに巻き込まれて命を落とすかもしれないという恐怖、暗さや揺れに対する恐怖など、不安要素が複合的に折り重なって生じる。

 Ryucrewさんが勤務する航空会社では、不安を感じやすい乗客のために左のPointのような案内をしているほか、有事に備えた応急処置研修も行っているという。

「自分は飛行機恐怖症ではないと思っている人でも、決して他人事ではありません。

 というのも、飛行機に乗るということは気圧の変化・時差・気温差などを経験し、そもそも自律神経を崩しやすい状態です。さらに、乗り遅れたらどうしようと緊張で眠れなかったり、ギリギリで滑り込んで脱水症状だったりすると、突発的な発作を起こすこともあり得るのです」(Ryucrewさん・以下同)

 海外旅行のために仕事を頑張り、徹夜をして搭乗するなどもってのほか。

「特に日本人の場合は極限までがまんされるかたが多く、周囲の人が気づいてCAを呼ぶという事態を見てきました。国民性の違いといえばそうかもしれませんが、主に北米圏のかたは、そうした体調不安は当たり前のこととして事前に申告されますし、少しでも不調を感じた際、CAを呼ぶことを躊躇しません。

 早くお知らせいただければ早く対処できるので、CAに助けを求めることは恥ずかしいことではない、と知っていただきたいですね。特にコロナ明けで空港は大混雑。搭乗には時間がかかるので、余裕を持って空港にお越しいただくことをおすすめします」

■Point
・体調不安は事前にCAや会社に伝えておく
・脱水症状時の搭乗は避ける
・睡眠不足で乗らない
・いざというとき用に薬は常備する
・リラックスできる服を着る
・快適な座席に座る(座席指定する)
・少しでも不安を感じたらCAを呼ぶ

【プロフィール】
カナダ外資系航空会社キャビンアテンダント・Ryucrewさん/大阪出身、31才。現在はカナダ・バンクーバー在住。YouTubeチャンネル『関西弁CA / Ryucrew』で発信した『飛行機が不安な方にCAが伝えたいこと』には、500件以上の感謝のコメントが。

取材・文/辻本幸路

※女性セブン2023年6月8日号

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