スポーツ

【好調阪神のベンチ裏】「劣勢でも声が上がる」「レギュラーと控えの垣根がない」と雰囲気は良好

ベンチの空気も今までとは違うという(写真は大山悠輔/時事通信フォト)

ベンチの空気も今までとは違うという(写真は大山悠輔/時事通信フォト)

 交流戦ではやや足踏みしたものの、まだまだ好調な阪神。今季は岡田彰布監督の手腕が光るだけでなく、ベンチ裏の雰囲気もガラリと変化したようだ。番記者を緊急招集し、座談会を開催した。【全3回の第1回】

 * * *
在阪スポーツ紙デスクA:昨季とは何もかも大違い。前任の矢野阪神は、チームが乗っている時はイケイケだけど負けた時は監督も選手もベンチでシュンとなっていた。それが、岡田阪神は劣勢でもベンチから声が出る。

在阪スポーツ紙デスクB:今の阪神は、良い意味で強いリーダーシップを持った選手がいない。大山(悠輔、28)は責任感の強い選手だけど、言葉でチームを引っ張るタイプじゃない。グラウンド外の話題もほとんどないしな(苦笑)。近本(光司、28)もそう。サトテル(佐藤輝明)はマイペースだし、中野(拓夢、26)も自分で精一杯。でもオレは、逆にそれがチームに良い雰囲気をもたらしていると思ってる。

在阪スポーツ紙記者C:特定の派閥が幅を利かせるようなこともなく、レギュラーとベンチ組の垣根がないですよね。たとえば、リードオフマンの近本は1学年下の熊谷(敬宥、27)のバッティングに関する助言を受け入れているし、2番手捕手の坂本(誠志郎、29)は試合に出ていない時もベンチから見て気づいたことを投手にアドバイスしている。実績のある選手に対してモノを言えなくなるチームが多いなかで、こういう空気は珍しいかもしれません。

在阪スポーツ紙記者D:今の阪神は若手がプレーしやすい環境だと思います。ドラ1ルーキーの森下翔太(22)も連勝中に試合前の円陣で声出しを務めて、毎回きっちり笑いを取っていました。

記者C:個々人の意識も変わりましたよね。目に見えて変化を感じるのは、二塁にコンバートされた中野です。向上心が高く、周りの選手からの刺激を受けやすいタイプですが、WBCで日本代表として超一流の選手たちと戦ったことが貴重な財産になっているようです。

デスクB:侍ジャパンで大活躍したソフトバンクの近藤(健介、29)の姿を見て、四球を選ぶ重要性を痛感したらしい。元々早打ちだったけど、今年は2番で四球を選ぶようになって出塁率が一気に上がった。

記者D:開幕前のミーティングで岡田監督が「四球も年俸の査定で評価する」と選手たちに伝えてからチームの意識が変わりました。中野、大山を筆頭に四球が増えています。ある選手はその日の試合で無安打だったのですが、四球を2つ選んで出塁したことで、ベンチ裏でほかの選手から「ボーナス! ボーナス!」と声をかけられていた(笑)。

デスクA:昨年は「打つだけ」「走るだけ」で淡白だったけど、今年は四球も犠飛数もリーグトップだから安打が出なくても得点が取れる。他球団も「隙のない打線になったね」と嫌がっている。得点を積み重ねることで選手たちも自信をつかんでいる感じがするね。

第2回に続く

※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビー服は男の子のものでは?》眞子さん、夫・小室圭さんと貫く“極秘育児”  母・佳代さんの「ラブコール」も届かず…帰国が実現しない可能性も
NEWSポストセブン
選手着用のレオタードやジャージから「スポンサーロゴ」が…(協会のSNSより)
新体操日本代表・フェアリージャパン「パワハラ問題」でレオタードから消えた「スポンサーロゴ」 スポーツ庁が求めた第三者調査を“秘密裏に実施”との関係者証言も
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“半日で1000人以上と関係を持った”美女インフルエンサー(26)がイギリスの公共放送で番組出演「口をすぼめて、吸う」過激ビジュアル
NEWSポストセブン
本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
麻田雅文氏(左)と小泉悠氏
《『日ソ戦争』麻田雅文氏×小泉悠氏対談》ソ連の講和仲介に期待した日本人の「アメリカよりロシアのほうが話せる」という感覚
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン