芸能

【寺田理恵子×中井美穂×河野景子】「女子アナ」という言葉すらなかった“フジテレビ黄金期”を振り返る

1980~1990年代のフジテレビを振り返る(左から河野景子、中井美穂、寺田理恵子)

1980~1990年代のフジテレビを振り返る(左から河野景子氏、中井美穂氏、寺田理恵子氏)

 テレビが最も輝いていた1980~1990年代、その中心にいたのはフジテレビだった。画面を彩ったフジの女性アナウンサーはアイドル顔負けの人気を誇ったものだ。そんな当時を知るレジェンドアナ3人(寺田理恵子・中井美穂・河野景子)が再会。いまだから話せる舞台裏を赤裸々に明かした(司会・構成/放送作家・山田美保子)。【全3回の第1回】

 * * *
──いちばん先輩はどなたなんでしたっけ?

寺田:私なんですよ。そう見えませんよね(笑)。

中井:入社年次でいうと寺田さんが私より3年先輩で、景子ちゃんとは1年違い。八木亜希子ちゃんと有賀さつきちゃんの3人揃って入ってきた時は本当に華やかで局外でも目立っていましたね。

河野:いやいや、中井先輩が“アナドル”第一号じゃないですか? 月9(『同・級・生』)にメインキャストで出演されたのは後にも先にも美穂さんだけだと思います。

寺田:アナドル……懐かしい! 私たちの時代は「女子アナ」という言葉さえなかったんですよ。いまもこのワードに対しては不快感を抱く先輩方がいらっしゃるけれど、フジテレビは女性アナウンサーに色々な番組を持たせてくれたし、売り出し方も上手だったのかなぁと、振り返れば思いますね。

河野:『オレたちひょうきん族』、見てました! 大勢の芸人さんに寺田さんが囲まれている「ひょうきんベストテン」は、こんな上品なお嬢様が大丈夫かしらと心配でした。

寺田:全く大丈夫ではありませんでした(笑)。実は私、初代ひょうきんアナウンサーの山村美智先輩が新婚旅行のため休まれた時のピンチヒッターとして呼ばれたんです。だからまだ気持ちの準備ができていませんでした。美智さんは毎週このプレッシャーに耐えているんだって尊敬すると同時に、未熟な私はプロ意識に欠けるな……って。

河野:そんなことがあったなんて。

寺田:でもその後、正式に2代目ひょうきんアナウンサーになったり、桂三枝(現・文枝)さんや愛川欽也さんのアシスタントをさせていただいたり、チャンスをもらいました。あの頃は局アナがアシスタントをするのが当たり前の時代だったんですよ。

中井:私の頃もそれは同じでしたね。いまって、お笑い芸人さんやタレントさんが司会をなさったり、アイドルの方がニュースキャスターをしたりしていますよね。でも、あの頃はごくわずかのタレントさんが司会に就いて、その隣に必ず女性アナウンサーがいるという……。

──中井さんは、ビートたけしさん、タモリさん、明石家さんまさんという「お笑いBIG3」の隣にいても堂々としていらした。「猛獣使い」とも言われていましたよね?

中井:そうでした(苦笑)。でも、入社2年目で『プロ野球ニュース』を担当した時には野球を全く知らないし、前任のみのもんたさんに花束をお渡しする日、CMが終わるギリギリまでみのさんが番組に関係ないおしゃべりをなさっていることに衝撃を受けました。え~!? 生放送って、こんなカンジなの~? って。まぁ私は社員だったので、ここで失敗して躓いたとしても辞めさせられることはないだろうと思って、やっていましたね(笑)。

関連記事

トピックス

東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
津波警報が発令され、ハワイでは大渋滞が発生(AFP=時事)
ハワイに“破壊的な津波のおそれ” スーパーからは水も食料品も消え…「クラクションが鳴り止まない。カオスです」旅行者が明かす現地の混乱ぶり《カムチャツカ半島地震の影響》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
牛田茉友氏はNHKの元アナウンサーだったこともあり、街頭演説を追っかける熱烈なファンもいた(写真撮影:小川裕夫)
参院選に見るタレント候補の選挙戦の変化 ラサール石井氏は亀有駅近くで街頭演説を行うも『こち亀』の話題を封印したワケ
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン