スポーツ

【貴重証言】佐々木朗希の恩師 転任先で古巣・大船渡の佐々木の弟が対戦相手になり「自分の子供同士が戦っている感覚」

今は大船渡ではなく盛岡一のユニフォームに袖を通し、古巣との試合を見つめる國保氏

今は大船渡ではなく盛岡一のユニフォームに袖を通し、古巣との試合を見つめる國保氏

 夏の高校野球岩手大会では、7月21日の3回戦で大船渡が盛岡一に1-3で敗戦。ロッテ・佐々木朗希を兄に持つ、大船渡3年の佐々木怜希にとって高校最後の夏が終わった。実は、対戦相手となった盛岡一に今年春から転任しているのが、大船渡の監督として兄・朗希の岩手大会決勝での「登板回避」を決めた國保陽平氏だ。『甲子園と令和の怪物』の著書があるノンフィクションライター・柳川悠二氏が、試合当日に國保氏に話を聞いた。

 * * *
 千葉ロッテ・佐々木朗希の弟である怜希の高校野球が終わった。

 2年前の春、兄の母校である大船渡に進学した怜希は、高校2年生の夏が終わってから本格的に投手に転向したばかりの右腕だ。最後の夏はエースナンバー「1」を背負い、7月21日の3回戦・盛岡一戦の先発マウンドにも上がった。初回の3四球による1死満塁のピンチこそ併殺でしのいだものの、3回に初安打を許し、3失点。その後、マウンドからセンターに守備位置を変更するも、5回でベンチに下がった。

 試合後は涙で顔をくしゃくしゃにしながら、言葉を振り絞っていた。

「本当に悔しいです。今日はピッチングが思うようにいかなかった……。(兄と比べられ、大きな注目を集め)なかなか野球に集中できる環境にはないところもあったんですけど、仲間に支えられました。最高の仲間でした」

 この試合を誰より複雑な心境で見守る野球指導者がいた。県下一の進学校である盛岡一で野球部の副部長を務める國保陽平氏だ。この春、國保氏は大船渡から自身の母校でもある盛岡一に転勤となっていた。

 2019年の夏、國保氏は高校野球の話題の中心にいた。

 当時、國保氏が監督を務めていた大船渡は岩手大会の決勝まで勝ち進み、花巻東と対戦。大船渡にとって35年ぶりの甲子園切符が懸かったこの日の決勝に、國保氏は佐々木朗希を投手としても、野手としても起用しなかった。連戦が続いて、疲労が蓄積していた令和の怪物をケガのリスクから守るため、登板を回避させることを國保氏は独断で決めたのだ。この國保氏の判断の是非が大きな論争となったことは多くの人の記憶にあるだろう。

 そして、怜希が入学した2021年夏をもって監督を退任し、その後は部長などを歴任していた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン