芸能

世界的大ヒットの映画『バービー』、日本では滑り出し低調 それでも見ておくべき2つの理由

主演兼プロデューサーを務めたマーゴット・ロビー

主演兼プロデューサーを務めたマーゴット・ロビー(共同通信社)

 日本より一足先に世界各国で公開された映画『バービー』は、公開からわずか17日で累計興行収入が10億ドルを突破。『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』を抜き、ワーナー・ブラザース映画史上最速のペースだ。

 しかし、その人気に水を差す騒動が起きた。『バービー』と同日に公開された原子爆弾の開発者の生涯を描いた映画『オッペンハイマー』と“Wヒット”をフックに、双方を掛け合わせた画像がX(旧ツイッター)に7月下旬頃から多数投稿されるようになったのだ。

 バービーの髪を “キノコ雲”に加工したり、燃え盛る炎と両作品の主演俳優を合成させたりという不謹慎な投稿が続くなか、あろうことか、映画『バービー』の米国公式アカウントが好意的なコメントをつけて反応。日本人を含めた各国のユーザーから批判が殺到し、配給元であるワーナーの日本法人が声明文を発信する事態となった。この騒動で出鼻をくじかれた影響か、8月11日からの日本での公開3日間の興行収入は1.9億円と低調な滑り出しとなった。

 本作は、1959年に誕生した着せ替え人形「バービー」を実写化したもので、すべてが夢のように完璧な「バービーランド」で暮らすバービーの体に、ある日異変が起きるところから物語が始まる。原因を探るため、人間の世界を訪れたバービーとボーイフレンドのケンは、ある世界の秘密を知ることになる—というストーリーだ。

「騒動を理由に足を運ばないのはもったいない。『バービー』は中高年こそ楽しめる要素があふれる秀作です」

 と語るのは、映画評論家のよしひろまさみちさんだ。

「冒頭はある超有名映画のパロディーから始まります。男女共に懐かしさを感じる名作なので、バービーに縁遠い男性でも、一気に物語に引き込まれることでしょう」(よしひろさん・以下同)

 そのため遅刻は厳禁! よしひろさんは「もし間に合わないなら次の上映回で見た方がいい」と語気を強める。

 見るべき理由としてよしひろさんが挙げた2つ目のポイントは、パートナーで食い違う意見を楽しむこと。『バービー』については賛否を含め多様な反応があふれているが、それこそが魅力だと力説する。

「本作は、自身がプロデューサーも兼務した主演女優マーゴット・ロビー(33才)と、女性の自立を描くことに定評があるグレタ・ガーウィグ監督(40才)がタッグを組んだ。かわいらしいバービーの世界の中で、巧みに社会問題を描いています。“男らしさ”や“女らしさ”とは何かをはじめとするさまざまなテーマが織り込まれていて、昔ながらの男性性の薄気味悪さも表現されています」

 ぜひ、この夏パートナーと共に劇場に足を運んでみては?

※女性セブン2023年8月31日号

関連記事

トピックス

ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山上徹也被告が語った「安倍首相への思い」とは
「深く考えないようにしていた」山上徹也被告が「安倍元首相を支持」していた理由…法廷で語られた「政治スタンスと本音」【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
不同意性交と住居侵入の疑いでカンボジア国籍の土木作業員、パット・トラ容疑者(24)が逮捕された(写真はサンプルです)
《クローゼットに潜んで面識ない50代女性に…》不同意性交で逮捕されたカンボジア人の同僚が語る「7人で暮らしていたけど彼だけ彼女がいなかった」【東京・あきる野】
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン