馬場典子(ばば・のりこ)/1997年に日本テレビに入社。現在はフリーアナウンサーとして活躍
──クリスマスから元旦にかけて『箱根駅伝』にかかりっきりなので、日テレの女性たちには「『天城越え』より困難な箱根越え」という言葉があると聞きました。この時期にパートナーと別れてしまう人が多いと。
3人:あ~、それ~(笑)。
馬場:入社したとき、すぐに先輩から教えていただきました(苦笑)。年末に会社に籠りっきりではやはりね……。一方で私はいちばん長く担当していた『キユーピー3分クッキング』も忘れられない番組です。料理番組を担当すると、タレントさんでも「お嫁さんにしたいNo.1」とか言われますけれど、私は見事に裏切りました(笑)。でも一度、『メレンゲの気持ち』で歌手の森山直太朗さんが、『3分クッキング』を見て私のファンになったと言ってくださったことがあって。
永井&松本:え~、それで? それで?
馬場:段取りだったり、料理研究家の先生とのやりとりだったり、私の番組での細かな言動を本当によく見てくださっていた。『メレンゲ』で森山さんと共演させていただいたんですけれど、その後デートのデの字もありませんでした(苦笑)。収録中に盛り上げてくださっていたMCの久本雅美さんをはじめ視聴者の皆さんをガッカリさせてしまったみたいですが、私がもっとも期待を裏切ったのは『THE・サンデー』(1989~2008年)で徳光和夫さんの隣に座ると結婚できる」というジンクスも破ったことかもしれません。すみません(笑)。
永井:そう、私たちの共通点といえば、『THE・サンデー』。徳光さんはフリーになられた後もずっと日テレのアナウンサーは大切な後輩だと思って下さっているようで、私も色々とアドバイスを頂戴しました。
松本:ありがたいのは、周りのみんなが褒めてくれたような仕事のときに、徳光さんは厳しいことをおっしゃるんです。逆に周りからケチョンケチョンに言われたとき、それを御存知ないはずなのに、あとから「あのときの実況の入りはとても良かったと思う」って褒めてくださる。救われましたね。
馬場:徳光さんは箱根駅伝でも、選手と同じように実況アナウンサーにエールを送りますからね。
永井:『THE・サンデー』での徳光さんは、いいことがあったとき、たとえばジャイアンツが勝った翌日などは長くお話になりたいわけです。だから徳光さんにいかに時間を割けるか、アシスタントとしては配慮していましたね。
松本:でも、それが長すぎちゃうときがあって(笑)、奥の部屋から総合演出の方が飛んできて「もうそろそろ締めてくれないと」という視線をこっちに向けるんです。
【プロフィール】
永井美奈子(ながい・みなこ)/1965年生まれ、東京都出身。1988年に日本テレビ入社。『マジカル頭脳パワー!!』2代目司会、『24時間テレビ』総合司会など多数の番組に出演。現在はフリーアナウンサーとして活動するほか、クラシック音楽のフェスティバル「音夏(おんなつ)」のプロデュース。成城大学非常勤講師、日テレ学院講師を務める。
松本志のぶ(まつもと・しのぶ)/1969年生まれ、静岡県出身。1992年に日本テレビ入社。『24時間テレビ』総合司会、『行列のできる法律相談所』、『ズームイン!!朝!』、五輪現地キャスターなどを担当。現在はフリーアナウンサーとして活躍するほか、クラッシックコンサートの司会、絵本の朗読劇にも出演。報知映画賞の選考委員、洗足学園音楽大学客員教授を務める。
馬場典子(ばば・のりこ)/1974年生まれ、東京都出身。1997年に日本テレビに入社。『ZIP!』『ザ!世界が仰天ニュース』、『キユーピー3分クッキング』など情報からバラエティまで数多くの番組を担当。現在はフリーアナウンサーとして活躍し、『あさイチ』(NHK)、『歌謡プレミアム』(BS日テレ)などに出演中。大阪芸術大学放送学科教授を務める。
※週刊ポスト2023年9月1日号