「卵白は粘度の高い“濃厚卵白”と粘度の低い“水様卵白”の2種あります(イラスト参照)。濃厚卵白は構造が複雑なので、加熱しても水分が保持されるためふっくらしますが、外側にある水様卵白は薄く広がってしまう。卵をざるに割ると、水様卵白が落とせるので、濃厚卵白だけになり、白身にふっくらと厚みがある目玉焼きができます」
そして多くの視聴者を引きつけたのが赤飯だ。せいろからたちのぼる湯気や、艶やかな風合いには「おいしそう」の声が多数あがり、7月11〜31日には、期間限定で『VIVANT』の赤飯レシピを基に開発された「赤飯おこわ」がコンビニエンスストア「NewDays」で販売された。この赤飯ができあがるまでにも、福澤監督の幾度とない試行錯誤があった。
「福澤さんは『とらや』の赤い赤飯を食べたとき、その赤い色に衝撃を受けたようです。『とらや』の赤飯は小豆を使用していますが、小豆は火を通すと形が崩れやすくなります。
映像作品として、見た目にもこだわる福澤さんは、小豆より煮崩れしにくく、鮮やかな赤色が出やすいささげを使用し、似たような色味を出せるまで、私物のせいろを使い20回以上も試作を重ねた末に、あの赤飯が完成したそうです」(前出・ドラマ関係者)
手軽に劇中の料理を味わいたいという人にも朗報だ。東京・赤坂にある『王様のブランチ』がプロデュースするレストラン「ブランチパーク」では、9月30日まで『VIVANT』とのコラボを実施中で、劇中に登場する料理を食べることができる。
「劇中で登場した赤飯やてんぷらなどが食べられる『日本大使館定食』や、バルカ共和国をイメージしたチャイなどを販売しており、平日でも予約が取れない日があるほど大盛況です」(テレビ局関係者)
ドラマ作りに一切妥協しない制作陣がこだわり抜いて作り上げた「VIVANTメシ」の数々が、ドラマに彩りを添えている。クライマックスに向けて、ますます加速する『VIVANT』を、食から楽しんでみてはどうだろうか。
※女性セブン2023年9月21日号