9月28日、福島県二本松市の「東北サファリパーク」の従業員が搬送先の病院で死亡する事故が発生した。同日午後に「男性職員がライオンの檻の中で倒れている」との119番通報で搬送された従業員は、搬送時には意識がなく、首のほか全身に噛まれた痕と出血があったという。同園は、この従業員がベテランの飼育員で夕方のエサやりの途中だったと説明している。
「東北サファリパーク」はこの事故を受けて同日、ホームページを更新。《事故発生による臨時休園のお知らせ》として、《本日、生体による事故が発生いたしました。二度とこのような事故が起こらぬよう安全管理対策が改善され、確かな安心を届けられるようになるまでしばらくの間、臨時休園とさせていただきます》と発表。
実は過去に「東北サファリパーク」および同じ会社が運営する「那須サファリパーク」でも同様の事故が複数回発生している。動物専門学校の関係者が語る。
「『東北サファリパーク』さんは那須や岩手でもサファリパークを運営していますが、那須では1997年と2000年に飼育員がライオンに襲われ負傷する事故が発生しています。また、直近ですと2022年1月に収容し忘れたトラが従業員3人を襲い、重傷を負わせる事故が起きています。
また『東北サファリ』では1989年に、同園の当時19歳の女性飼育員がトラに右腕を噛まれ、肘から先を食いちぎられる事故が発生しています。今回の件で、同グループで起きた事故は5回目ということになります」
二代目経営者はレーシングドライバー
『那須サファリ』では1997年の事故を教訓に「マニュアル」が制定されているが、2000年の事故でその「マニュアル」に基づく教育が徹底されていなかったことが発覚し問題となっていた。さらに2022年の事故では再発防止のため現地調査にあたった「日本動物園水族館協会」によって、従業員らが業務マニュアルの手順にない時間外労働を強いられていたことも判明している。前出の関係者が続ける。