桑田真澄ファーム総監督は次期監督の有力候補と言われる
現在の首脳陣の内部昇格か、外部から招聘か
シーズン中から次期監督候補には現在の首脳陣である阿部慎之助ヘッドコーチ、桑田真澄ファーム総監督などの名前も挙がってきた。
「もし優勝していたら阿部ヘッドへの禅譲が有力でしたが、2年連続Bクラスのチームで一軍のコーチを務めていた人物は責任を取らなければならない立場です。監督オファーが行くとは思えません。阿部ヘッドはまだ44歳と若いですし、一度外から野球を見るのもいいでしょう。現役生活19年間のうち13年間も原監督の下で過ごし、指導者になった4年間も同様です。原監督以外の指揮官がどのように指導しているのか、采配を振るっているのか、勉強する機会があったほうがいい」
OBの江川卓氏、中畑清氏、松井秀喜氏、落合博満氏、工藤公康氏なども巨人の次期監督候補と言われてきた。
「落合氏や工藤氏のような優勝経験のある指揮官も求められますが、落合氏は高齢で体調面の不安も拭えない。工藤氏はソフトバンクで5回日本一になっており、申し分のない実績があります。ただ、その時のソフトバンクの強さは、かつての巨人と同様、選手補強による部分も大きかった。今の巨人は以前のような資金力にモノを言わせて大物を引っ張ってこられるわけではない」
今年のセ・リーグは古巣に復帰した岡田彰布監督が阪神を優勝させた。ドラフト1位で阪神に入団して14年間プレーした生え抜きで、二軍監督やコーチも務めた岡田監督は阪神という球団の体質をよく知っていた。これも優勝に大きく関係したという。
「巨人はよく『生え抜きの4番かエースしか監督にしない』と言われますが、これにはそれなりの理由がある。昔と比べれば落ちているとはいえ、人気球団に変わりはない。他球団なら大きく取り上げられないことでも、巨人だと大事のように扱われるケースもある。生え抜きの4番やエースはその対応に慣れている。
阪神の岡田監督も現役時代から関西のマスコミに注目されていたから、『こう言えばどう報道されるか』という生え抜きスター特有の感覚を持っていた。そのため、優勝に向かう途中でメディアが過熱しすぎないように『9月が勝負』と言い続け、マスコミや選手を落ち着かせた。人気球団の監督はマスコミとの付き合い方も能力の1つとして求められます。その意味で、若い頃から注目されてきた生え抜きは監督に向いている」