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脱毛サロン「C3(シースリー)」が倒産、約4万6000人に影響及ぶ、クレジット返金など自ら問い合わせ必要

店舗のホームページは、破産手続き開始決定の案内に差し替えられた(C3店舗ホームページより)

店舗のホームページは、破産手続き開始決定の案内に差し替えられた(C3店舗ホームページより)

 脱毛サロン「C3(シースリー)」を展開するビューティースリー(江東区)が2023年9月25日に、東京地裁に自己破産を申請し、同日に同地裁より破産手続き開始決定を受けたことが明らかになった。

通い放題プランを売り物にしていたが

店舗のホームページは、破産手続き開始決定の案内に差し替えられた。(出典/C3店舗ホームページ)

 ヒフコNEWSで伝えていたように、かねてエステ脱毛の業界は経営環境の厳しい状況にあったが、今回、新たに大手企業が倒産に至る事態になった。

 倒産を伝えている帝国データバンクによると、C3は全国63店舗を展開し、無料カウンセリング、24時間オンライン予約可能など、利便性を打ち出してきた。施設や宣伝広告費にも積極的に投資してきたという。

 同社の倒産を受けて新たに開設された破産管財ホームページによると、現在詳細は調査中ではあるものの、利用者など影響が及ぶ債権者数は約4万6000人で、負債総額は約80億円と見込まれている。

 倒産を伝えている東京商工リサーチは、同社の特徴として通い放題があったと説明する。安価に継続利用を期待していた利用者にとっては想定外の事態だ。利用者にはメールで破産手続き開始決定の知らせがメールで届けられているようだが、SNSでは支払いをしたばかりと見られる利用者も含め、嘆きの声が多数書き込まれている。

 通い放題プラン(プレミア全身脱毛コース)は期間が残っているケースが多数発生していると見られるほか、回数プラン(6回コース)についても利用回数が残っていることが想定される。事業停止のため、脱毛を受けることが不可能になっており、未施術の状態にある人は別のサロンが引き継ぐ予定があるという。これについては利用者が自ら問い合わせる必要もあるようだ。

 利用者などには返金できない状況になっており、今後、財産に基づいて配当される可能性はある。しかし、破産管財ホームページによれば、現状では配当のめどは立っていないという。

人材不足、宣伝コスト増にコロナが追い打ち

 ヒフコNEWSで伝えているように、エステ脱毛は2022年度に、予約トラブルなどの問題により、医療行為を伴わないエステ脱毛を専門とした「脱毛サロン」が7社倒産し、2000年以降で最多を記録していた。

 エステ脱毛の利用者が増加する一方で、脱毛を担う人材の不足が響いて、予約が取りづらい状況になっていた。しかも、脱毛を提供するエステ、クリニックが増えたことで、競争も激化。宣伝広告費もかさんでコストが増加し、利益が圧迫する状態になっていた。

 2020年以降は、コロナによって店舗の運営が難しい状況もあり、苦境に追い打ちをかける状況になっていた。C3においても全店休業を強いられるなど同様な状況があったようだ。

 なお、今回の破産管財ホームページでは、クレジット払いをしている人については、利用者自らが問い合わせるように求めている。ヒフコNEWSでは、男性専門脱毛クリニックであるウルフクリニック閉鎖に関連して、クレジット払いの返金について伝えている(男性医療脱毛ウルフクリニック突然閉鎖、女性も知っておきたいクレジット返金ルール)。クレジットカードのブランドや条件によっても異なるが、申請することで返金を受けられる場合はある。関連する人はアプローチを試みるとよいだろう。

 脱毛をめぐってはトラブルがたびたび報告されているが、今回の倒産についても当面、問題は収束せずにその動向が注目されそうだ。

参考文献

株式会社ビューティースリー 破産管財ホームページ

脱毛サロン倒産急増、予約トラブルなど影響、帝国データバンク

なぜ大阪のエステ脱毛は書類送検に?女性のやけど事件の背景を大阪府警に聞いた

成人年齢18歳に、10代の脱毛エステや医療のトラブル相談が急増

男性医療脱毛ウルフクリニック突然閉鎖、女性も知っておきたいクレジット返金ルール

株式会社ビューティースリー(帝国データバンク)

(株)ビューティースリー(東京商工リサーチ)

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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