もとは国鉄が所有していた土地だった(時事通信フォト)
「街の中心に人々が憩う広場をつくり、その周辺にビルを建てるのが都市開発の基本です。カレッタ汐留にも広場があるにはありますが、地下に位置して目立ちませんし、緑が少なくて狭い。近くにある浜離宮恩賜庭園は、入場が有料です。どうせ汐留から人が減っているなら、ビルをひとつ潰して大きな広場を作ってしまえばいい(笑)。
汐留の高層ビルが東京湾からの海風をせき止め、ヒートアイランド現象を助長しているとの説もあります。現在の都市開発において、風の通り方を考慮するのは常識ですが、汐留はまだ試行錯誤の時期に開発されたため、その常識が適用されていません。“ビルを壊す”というのは実現不可能なアイデアでしょうが、風を通すという点、そして人々が集まる緑の広場を作るという点で有効なのではないでしょうか」
一方でカレッタ汐留側もテコ入れを図っているようにも見える。今年8月には、地下2階に「汐留横丁」をオープンさせた。ネオ居酒屋やワイン角打ちの店といったカジュアルに使える飲食店に加えて、ビジネス街らしく経営者限定の会員制バーといったユニークなコンセプトの店も入居する。準備中の区画も含め、年内に合計約250坪超のフードホールになる予定だという。
「汐留横丁」が人々が街に集まる理由となるか。“枯れた”とはもう言わせない復活に期待したい。
