スポーツ

高校野球を終えた清原勝児が告白 慶大進学までの「空白の1年半」の練習プラン

声援への感謝を口にした清原勝児

高校野球を終えた清原勝児(写真は夏の甲子園時の取材で筆者撮影)

 1回戦から満員の観客が詰めかける注目の一戦となった。鹿児島県で開催されている秋の国体。夏の甲子園決勝と同カード再戦として注目された慶應義塾高校と仙台育英高校の一戦は、仙台育英高校が7回コールド勝ちでリベンジを果たした。この試合でも、観客の視線を集めたのは途中出場した清原和博氏の次男・勝児だった。高校野球を終えた先に、何を見据えているのか──。ノンフィクションライターの柳川悠二氏がレポートする。

 * * *

 慶應義塾(神奈川。以下、塾高)が107年ぶりの日本一に輝いた甲子園決勝からおよそ1か月半が経過し、宮城・仙台育英との再戦となった国民体育大会1回戦。3年生にとっては高校野球を締めくくる大会となるが、塾高メンバーのなかに、ひとりだけ2年生が含まれていた。元プロ野球選手・清原和博氏の次男、勝児だ。

 昨年の秋から、勝児と慶應義塾の戦いを追ってきた。PL学園の廃部問題が勃発した2014年以来、PL取材をライフワークとしてきた私には、最強の遺伝子を持ち、もはや野球界の絶滅危惧種となったPL野球の継承者を追わずにはいられなかった。

 昨秋の神奈川大会で初めてメンバー入りした勝児は、3回戦で満塁弾を放ち、鮮烈なデビューを飾る。さらに選抜出場に向けて重要な関東大会初戦でも勝ち越しの本塁打。理想の打者は「お父さんです」と語り、お祭り男ぶりもまさに父譲りだった。

2年生だけど「引退」

 しかし、気になったのは勝児の学年だ。幼稚舎、慶應義塾中等部と歩み、塾高には2021年春に入学のはずだが、昨秋(2022年9月)の段階でもまだ1年生だったのだ。

 勝児は2年生に進学する段階で一度、留年を経験していた。野球の有望選手であっても、推薦入試や進級において、塾高では成績でシビアに判断される。留年は珍しいことではないものの、規定(出場資格は在籍合計3年まで)があるため勝児にとって高校野球はラストシーズンになる。

「清原」の名が甲子園のバックスクリーンに表示されたのが今春の選抜だ。初戦となる仙台育英戦に5番・三塁で出場した勝児は第1打席で安打を放つ。試合はタイブレークにもつれ、10回表に二死満塁というこれ以上ない場面で打席に入ったのが勝児だった。大歓声が木霊し、甲子園は清原のためにあるのか──そんな高校野球の歴史に残る名実況を誰もが思い出したはずだ。だが、勝児は三振に倒れ、塾高も初戦敗退となった。

「自分のせいで負けてしまった。試合に集中していて、歓声は聞こえませんでした。(甲子園での経験は)父の偉大さを実感できた。夏にもう一度帰ってきて、この悔しさを晴らしたい」

関連キーワード

関連記事

トピックス

告示日前、安野貴博氏(左)と峰島侑也氏(右)が新宿駅前で実施した街頭演説(2025年6月写真撮影:小川裕夫)
《たった一言で会場の空気を一変》「チームみらい」の躍進を支えた安野貴博氏の妻 演説会では会場後方から急にマイクを握り「チームみらいの欠点は…」
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
中国の人気芸能人、張芸洋被告の死刑が執行された(weibo/baidu)
《中国の人気芸能人(34)の死刑が執行されていた》16歳の恋人を殺害…7か月後に死刑が判明するも出演映画が公開されていた 「ダブルスタンダードでは?」の声も
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
高校野球で定められている応援スタイルについての指導指針は競技関係者と学校関係者を対象としたもので、一般のファンは想定していない(写真提供/イメージマート)
《高校野球で発生する悪質ヤジ問題》酒を飲んで「かませー」「殺せ」と声を上げる客 審判がSNSで写真さらされ誹謗中傷される被害も
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン
松嶋菜々子と反町隆史
《“夫婦仲がいい”と周囲にのろける》松嶋菜々子と反町隆史、化粧品が売れに売れてCM再共演「円満の秘訣は距離感」 結婚24年で起きた変化
NEWSポストセブン