国内

《バス停にいた女子高生もクマ被害に》「頭にホッチキス30針」被害者が病床で語った「襲撃の瞬間」“グワァッ!”と背後から唸り声が

クマによる被害

クマに襲われた男性。背中にも無数の傷跡が

 全国各地で相次ぐ、市街地でのクマ被害。被害件数は、国が統計を取り始めて以来過去最多を更新している。秋田県ではクマによる被害が8月頃から急増し、人身被害の件数は10月31日までの統計で全国最多の61件に達する。NEWSポストセブン記者が現地に赴くと、身の毛もよだつ被害の実態が見えてきた。

「クマに襲われて家に逃げ込んだあと、自分で頭の傷を鏡で見たら、頭皮がめくれて頭蓋骨が見えていた。頭の傷を止めたホッチキスを数えたら30個あり、目の下を2針、口2針、耳、頭も縫いました。背中も傷だらけでボロボロです」

 10月19日、秋田県北秋田市の市街地でクマに襲われた湊屋啓二さん(66)は、生々しい傷跡の写真を見せながら被害の状況を語った。この日、駅から徒歩5分ほどのバス停でバスを待っていた女子高生がクマに咬まれたあと、湊屋さんを含む4人が襲われて怪我をし、全国ニュースでも大きく報じられていた。

 現場は人通りこそ多くないものの、周囲に森林はなく、市街地の真ん中である。湊屋さんが襲われたのも、商店街から1ブロック離れたところにある自宅の前だった。こんな場所にクマが出没したとはにわかには信じがたいが、記者が訪れた10月26日も、市内の小学校付近にクマが現れれて騒ぎになっていた。当時、秋田市内の病院で入院中だった湊屋さんに話を訊いた。

「ずっとこっちで暮らしていますが、近所でクマを見たのは初めてでした。空港(大館能代空港)の近くに山小屋があり、先月中旬に立ち寄った際に、周囲にある栗がクマに相当食べられていたので、『これは危ない』と思い、すぐ市役所に連絡した。しかし猟友会が保有している檻などの罠は数が足りなくて、すぐに設置することはできないと言われました。それ以来、山小屋には行くのを控えていたんです」(湊屋さん、以下同)

 クマの増加を実感する出来事だったが、そのときはまだ自宅の周辺にクマが出るとは想像もしなかったという。しかし、その1か月後に事件は起きた。

関連記事

トピックス

小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン