長塚さんの愛犬である9歳のトイプードル・ココちゃん

長塚夫人に抱えられ、ゴキゲンな愛犬・ココちゃん

「それは言えるかもしれません(笑)。そうしたことにゆったりと時間をとれる。交通渋滞はないし、東京ほど人もいませんから。しょせん身体も頭もひとつだから、いい時間の過ごし方をしたい。あれもこれも手を出して、時間に追われることはない。年も年だし、日常をゆったり楽しく、自分のペースで。そうすることが気持ちいいですね」

 軽井沢に足を運ぶようになったのは30年ほど前。軽井沢を選んだのには、何か理由があったのだろうか。

「いえ、特にありません。山か海辺か、と考えました。でも、海辺では家を買うまでに至らず、『縁がないんだな』と。軽井沢はあるときホテルに空きがなく、行きたいときに行けないことがあって、それで家を買おう、ということになりました」

 東京を離れる時間が長くなることで、仕事に支障はないのだろうか。

「ないですよ。東京には新幹線で1時間ちょっとで行けますから。以前は車で往復していたんだけど、去年の暮れに免許を返納して車も手放しました。軽井沢でも生活に便利なところで暮らしているから車がなくても大丈夫だし、車をあまり運転しなくなったということもあります。万が一にも他人様(ひとさま)を傷つけてはいけない、という気持ちももちろんありました」

「映画も演劇も若い人のもの」これは映像芸術の宿命

 軽井沢では人付き合いをできるだけ絞り、静かな生活を送っている。

「ご近所とはわきまえた付き合いです。お互い距離を保ち、でも何かあったときは知らせ合うような。みなさん、ウチと同じように他所から来ていますから。仕事の打ち合わせで、東京からスタッフが来てくれることもあります。先日も打ち合わせをしながらバーベキューをしたりして(笑)。でも、若いときほど人付き合いが必要なくなります(笑)」

 日常の“楽しい雑事”のほかは、映画鑑賞や読書、エッセイ原稿の執筆などで過ごしている。

「映画も本も、選ぶのは古典。映画はBSなどの放送で見ます。本は日本のもの、海外のものをジャンル問わず何でも。大概、何十年も前に読んじゃってるので再読です。いや、誰の、どんな本を読んでいるのかは重要じゃないんです。毎日20~30分、録音しながら音読するんだけど、聞く人がいるかどうかは関係なくて、俳優として楽しみ半分、仕事半分でやっているというか」

“俳優の性”といったところだろうか。

「滑舌を良くしようとか、お腹から声を出そうとか、そういう意図でもない。現世に色気があって、もう一花咲かせたいと思っているわけでは全然ない(笑)。音読することで書いた人の目論見がスーッとみえるので、音読しながら試行錯誤して遊んでいるという感じですか」

 テレビはニュースと天気予報ぐらいで、ほとんど見ないと長塚さんは語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
《大谷は誰が演じる?》水原一平事件ドラマ化構想で注目されるキャスティング「日本人俳優は受けない」事情
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
パリ五輪への出場意思を明言した大坂なおみ(時事通信フォト)
【パリ五輪出場に意欲】産休ブランクから復帰の大坂なおみ、米国での「有給育休制度の導入」を訴える活動で幼子を持つ親の希望に
週刊ポスト