デザフェス用に焼かれたバナナパウンドケーキ(SNSより)

デザフェスに出品されたとみられる焼き菓子(SNSより)

「スタッフの子たちも数人いましたが、製造・販売はほとんどA子さんのワンオペに近い印象でした。育ち盛りの子どもが2人いて、睡眠不足だと吐露することも多かった。体調不良などで突然のお休みも多く、不安定な営業だからこそスタッフのシフトを回しにくい事情があったのかもしれません。でもA子さんのお菓子づくりへの情熱は本物で、店の知名度を上げようと、いろんなイベントに出店していました。

 だけど、やっぱりキャパオーバーだったのかもしれません。仕込みなどの作業時間を捻出する方法、そして腕や腰の痛みに悩んでいる様子でした。過去にも消費期限を誤って記載するトラブルを起こして謝罪しています」(前出・店主の知人)

 店のブログでは、2019年1月に出店した「青山ファーマーズマーケット」で販売した焼き菓子のラベルに消費期限を誤った日にちで記載していたことを謝罪している。作業上のミスだとして、〈失敗して落ち込んでます〉と吐露していた。

 SNSでは〈HPとMPの限界を迎えてしまいました〉と吐露したことも。以前のイベントに関しては、こんな投稿もあった。〈水曜日から、ほぼ3徹で焼き続けるぞー!! 1日3時間余る予定だから、家族でご飯食べてシャワー浴びて仮眠する…飲まず食わずの睡眠0で前に体調壊したから…~(中略)~ 左手と右手…同時に腱鞘炎になってしまった…〉

 さらに〈取り急ぎお知らせです!! 全種類のスコーンの賞味期限を間違えて印刷してしまいました〉ともアナウンスしていた。また2022年2月には〈全種類のスコーンの消費期限を間違えて印刷してしまいました〉、同年4月にも〈消費期限を間違えて成分表を印刷してしまいました〉と、同年10月にも〈成分表に牛乳入れるの忘れた…上から貼ります〉と報告しており、ミスが頻発する状態になっていたようだ。

 こうしたなか「デザフェス」で大量のマフィンを焼くことになり、製造過程で生じた「ゆるみ」が最悪の事態を引き起こしたのかもしれない。

 今回の騒動をA子さんはどのように捉えているのか。電話で問い合わせたところ、「現在、保健所と話して回収作業を行なっております 。私の監督不行き届きで、ご迷惑をおかけしてしまって申し訳ないです」という答えが返ってきた。

 厚労省のホームページでは、11月14日時点でのマフィンの回収終了は0個、回収割合は0パーセントとされている。速やかに回収が進み、これ以上の健康被害が出ないことを祈る。

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