長嶋氏が公の場に姿を見せたのは今年3月31日の開幕戦以来(時事通信フォト)

長嶋氏が公の場に姿を見せたのは今年3月31日の開幕戦以来(時事通信フォト)

正捕手に育てた「恩人」

 長嶋氏は昨年9月に自宅で尻餅をついた際、後頭部を打ったことによる脳内出血で救急搬送された。以来、都内の病院で入院生活を続けてきた。

「長嶋さんは入院直後から一般病棟で手足のリハビリに励んできた。イベント後の控え室でも選手と力強い握手を交わしましたが、まさにリハビリの賜物でしょう。医者の許可がおりず退院はなかなか叶わないようですが、一刻も早く退院して、現場に姿を見せたいと思っているはずです」(スポーツ紙編集委員)

 長嶋氏の強い思いの背景には“愛弟子”である阿部監督の就任がある。巨人番記者が言う。

「イベントの前日、山口寿一オーナーが報道陣に『長嶋さんは非常に元気な声で“阿部監督に期待する。新しい面白い野球をやってくれるんじゃないか”と言っていた』と話したんです。ミスターは秋季キャンプ中にも阿部監督に激励の電話をしており、“阿部巨人”の誕生を喜んでいる様子が伝わってきた。だから今回のイベントでもコメント動画を流すかもと思いましたが、まさか自ら東京ドームまで出向くとは。強い覚悟を感じ、驚かされました」

 阿部監督がドラフト1位で巨人に入団した2000年、迎え入れた監督は長嶋氏その人だった。当時のドラフトは大学生と社会人を対象に逆指名制度があり、阿部監督が「長嶋巨人」を選んだ。

 長嶋氏にとって監督最終年となった翌2001年、開幕戦で“ルーキー・阿部”をスタメン起用。新人の開幕マスクは1978年の山倉和博以来、実に23年ぶりだった。

 経験を求められるポジションだけに、前年までの正捕手・村田真一を代える決断は批判も浴びたが、長嶋氏は辛抱強く127試合で起用した。ある巨人OBが言う。

「ミスターのあの我慢が阿部を成長させ、“打てるキャッチャー”が誕生した。ミスターにとって阿部は“最後の愛弟子”です。だからこそ、病院から一時外出してまで東京ドームに姿を見せた。阿部を激励したいという、ミスターの強い思いの表われでしょう」

関連キーワード

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン