阪神に負けるな!
長嶋氏が東京ドームに現われたこの日は、阪神とオリックスの優勝記念パレードと同日だった。
「2年連続でBクラス、3年連続で優勝を逃している巨人ですが、来季は球団創設90周年の節目。常勝球団としては日本一が絶対目標でしょう。
ですが今年は、開幕からオフまで岡田(彰布)阪神に話題を根こそぎ持っていかれた。長嶋さんの世代は、今よりも巨人・阪神戦を“伝統の一戦”として重視しており、来季こそは負けるわけにはいかないと思って当然。阪神の優勝パレードは大阪と神戸で合計65万人の来場者を集めましたが、その話題に対抗するためにも長嶋さんが出張るしかなかった」(前出・スポーツ紙編集委員)
長嶋氏が1年目の「阿部巨人」にかける期待は大きい。阿部監督の出身校・中央大の硬式野球部OB会長でもある前出・末次氏が語る。
「阿部も1年目に長嶋監督にお世話になっているから、元気づけられたでしょうし、長嶋さんにしっかり育った姿をお見せしないといけない。今年のドラフトで中大の後輩・西舘(勇陽)の1位クジを当てて幸先がいい。尊敬する長嶋さんの思いに応えて、名監督になってほしい」
阿部監督が悲願のV奪還を果たした暁には、東京ドームで長嶋氏が満面の笑みで祝福する姿が見られるはずだ。
※週刊ポスト2023年12月15日号