◆組員「お前ら邪魔なんだよ」
司組長を出迎える幹部(左から津田力・倉本組組長、安東美樹・竹中組組長、青山千尋・伊豆組組長)
それから約1時間後、駐車場のシャッターが開かれた。敷地内の事務所そばには、高山若頭ら直系組長たちがズラっと並んでいる。その後、司組長が事務所から現れると、警察やマスコミは一斉にシャッターの前に。あまりの混雑ぶりに1人の組員が「お前ら邪魔なんだよ」と声を荒らげるが、近くにいた執行部の1人は焦る様子もなく、「そんな言い方したらあかんで」とたしなめる一面も。当の司組長も驚いた様子もなく、マスコミをゆっくり見回して黒のベンツに乗り込み、事務所から去った。
「六代目山口組としては、抗争を有利に進めていることを内外にアピールしたいという思惑もあるだろう。執行部がズラっと並んだり、司組長が報道陣の前で車に乗るのも、メディアに撮ってもらうため。本来、抗争中ならこうして姿を晒すなんてあり得ません。とはいえ、抗争相手の神戸山口組や絆会などは徹底抗戦の構えを崩しておらず、六代目山口組も決定打を持っていない」(前出・全国紙社会部記者)
2024年8月で分裂抗争は10年目に突入する。分裂抗争の決着はつくのだろうか──。